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偽計容疑:IT企業社長ら逮捕 中国企業「裏口上場」図る

セラーテムテクノロジー社長の池田修容疑者(セ社ホームページより)
セラーテムテクノロジー社長の池田修容疑者(セ社ホームページより)

 大証ジャスダック上場のIT企業「セラーテムテクノロジー」(東京都中央区)が中国企業を買収したとの虚偽情報を公表したとして、東京地検特捜部は6日、同社社長、池田修容疑者(38)ら3人を金融商品取引法違反(偽計)容疑で逮捕した。実際には中国企業側がセ社を買収して間接的に日本市場に上場を果たす「裏口上場」を図ったとみて資金の流れの解明を進める。

 ほかに逮捕されたのはセ社元取締役兼最高財務責任者、宮永浩明(46)▽セ社取締役、藤本秀一(41)両容疑者。中国とつながりのあった宮永容疑者が主導したとみている。

 逮捕容疑によると、3人は09年11~12月、英領バージン諸島にある中国系投資ファンドを割当先とする新株発行で総額約15億円を資金調達し、中国のIT企業「北京誠信能環科技有限公司」を子会社化するとの虚偽情報を公表したとしている。この「増資」発表前に1万円前後だったセ社の株価は約1年間で10万円前後に高騰した。

 この約15億円は中国系投資ファンドなどを通じて還流させただけだった。実際は公表事実とは逆に、北京誠信の株主がセ社株の過半数を取得して実質的にセ社の支配権を握り、上場手続きを経ずに日本の証券市場に「裏口上場」したという。大証は「09年当時、不適当な合併でないか必要な確認をし、上場廃止の基準に抵触するようなものはないと判断した」とコメントした。

 セ社はソフトウエア開発会社として96年8月に設立され、01年12月に上場した。【鈴木一生、川名壮志】

毎日新聞 2012年3月6日 13時16分(最終更新 3月6日 14時14分)

 

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