胃の粘膜にピロリ菌が感染すると胃がんになりやすい人と、十二指腸潰瘍になりやすい人がいますが、こうした体質は血液型と1つの遺伝子で決まることが東京大学の研究で分かりました。
ピロリ菌は、日本人の大人のおよそ半数が感染しているとされ、胃がんや十二指腸潰瘍の原因となっています。
東京大学医科学研究所のグループは、胃の粘膜にピロリ菌が感染すると胃がんになりやすい人と、十二指腸潰瘍になりやすい人がいることに注目し、それぞれの患者と健康な人合わせて3万4000人の遺伝情報を分析しました。
その結果、どちらの病気になりやすいかという体質は、血液型と細胞の増殖に関係するPSCAという遺伝子によって決まることが分かりました。
PSCA遺伝子は、人によって3つの型に別れ、このうち、胃がんになりやすい型で血液型がAの場合、十二指腸潰瘍になりやすい型で血液型がOの場合に比べ、胃がんになるリスクが1.8倍に高まる一方で、十二指腸潰瘍になるリスクは3分の1と低くなっていたということです。
日本人では胃がんになりやすい型のPSCA遺伝子を持つ人の割合が欧米人よりも多かったということです。
研究にあたった松田浩一准教授は「遺伝子を調べることで、胃がんへのなりやすさが分かり、予防や早期発見につなげられる」と話しています。
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