サービス案内メルマガ会社案内新聞購読書籍世日ネットショップ電子チラシプレスリリース旅倶楽部  
ホーム ワールドネット
コリア
世界のページ
北米・中南米
中東・北アフリカ
アジア・オセアニア
韓国・北朝鮮
欧州
ロシア
アフリカ

BACKを見る
2012年3月6日

韓国地下党事件−半潜水艇で日本出入り

現ソウル大女性教授 93年金主席から指令

 【ソウル上田勇実】北朝鮮の指令で韓国の国家機密や政治情勢を報告するなどし、国家保安法違反の容疑で韓国地下党組織「旺載山」の男性幹部5人が昨年、逮捕・起訴された事件で、地下党発足前の1993年に当時20代だった韓国女性が石川県金沢市の海岸から半潜水艇で北朝鮮に渡り、最高指導者の金日成主席から直接指令される「接見教示」を受けていたことが5日分かった。
 関係者によると、女性は大学生だった80年代後半、主体思想研究会で主犯格の金徳龍容疑者(49)らと知り合い、「旺載山」の前身組織を結成。その後、金容疑者の指示で93年8月21日、出迎えた北朝鮮工作員が準備した半潜水艇に乗り込み、日本海の公海上に停泊していた「母船」に乗り換え、そのまま北朝鮮北東部の清津に上陸。26日には平壌で金主席と面談し、地下党組織立ち上げに関する指令を受け、翌日にはまた半潜水艇で日本に戻ったという。

 北朝鮮では80年代前半、朝鮮労働党作戦部(現偵察総局)が日韓潜入のため東ドイツ製の潜水艇をモデルに半潜水艇を開発する方針を固め、90年代に入って本格的に導入。ソナーによる探知には限界があり、特に日本の場合は「半潜水艇の接近を防ぐような海上警戒態勢が手薄で、ほぼ自由に出入りできた」(元北朝鮮工作員)という。

 女性はすでに組織を離れ、現在、ソウル大学の教授。昨年12月に捜査当局に逮捕され、今年1月までに事件の概要を自供し、法廷でも証言した。

 一方、女性が金主席と面談した場には、組織メンバーと活動について協議を重ねたとみられている在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の「真求現中央本部副議長が同席。「副議長は日本でこの女性にアドバイスなどもしたという。

 今回の事件は、北朝鮮にオルグされた韓国人スパイが、日本を経由し極秘訪朝したり、朝鮮総連の現役幹部と密接な協力をしていた実態が浮き彫りとなり、改めて波紋を広げそうだ。

 逮捕・起訴された5人は公判で黙秘権を行使し続けたが、「女性の供述が決め手」(同関係者)となり、先月23日、ソウル中央地裁が金容疑者にスパイ罪などで懲役9年の実刑を言い渡すなど、全員が有罪判決を受けた。

この記事を友達に教える

韓国・北朝鮮HOME

(C)Sekai Nippo Co.Ltd(1975-) Tokyo,Japan.
voice@worldtimes.co.jp