関西電力高浜原発(4基)の地元、福井県高浜町の山本富夫町議(53)が社長を務める同町の不動産賃貸会社「OHC福井」が、事業に失敗して使途がなくなった工場建物を関電の子会社に倉庫として賃貸し、10年度までの4年間で1億数千万円を受け取っていたことが分かった。町幹部らが関電に働きかけて契約が実現し、不動産業者らによると、賃料は周辺相場の約2倍だという。
山本町議は昨年9月、原発再稼働などを求める意見書の町議会提案に協力しており、“原発マネー”の恩恵を受ける地元議員が原発事業を後押しする構図がまた明らかになった。意見書は、粟野明雄副議長(62)が「提案者」、山本町議ら3人が「賛成者」となり議会に提出され、福島第1原発事故後、可決された。
07年度の賃料は不明で、08年度以降は年5000万円だという。複数の不動産業者は「この賃料は通常はあり得ない」と指摘する。【古関俊樹、遠藤浩二、柳楽未来】
毎日新聞 2012年2月23日 東京夕刊
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