東京電力と原子力損害賠償支援機構は27日、双方の首脳で構成する経営改革委員会を開き、今後10年間で2兆6488億円を目標としてきた経費削減幅を上積みすることで合意した。東電は電気料金の値上げ方針を表明しているが、経営合理化が不十分と批判されており、一層の経費削減策を実施することで料金値上げへの理解を得たい考えだ。3月に策定予定の総合特別事業計画に詳細を盛り込む。
東電は保有不動産の処分を前倒しし、13年3月末までに対象の7~8割を売却する。この中には本社ビルの一部にあたる「東新ビル」(東京都港区)も含まれるという。昨年10月に策定した緊急特別事業計画では、3年以内に2472億円相当の不動産を売却する方針を示していたが、機構の下河辺和彦運営委員長は「予定の売却ペースをさらに加速化し、前倒しすることで合意した」と述べた。
また、東電から電気工事を受注している関係会社についても、東電との業務重複などを見直し、経費削減を徹底する方針を確認。機構側は、一部の東電の関係会社について、コスト削減のために外部専門家による経費の精査を実施するよう要請した。【立山清也】
毎日新聞 2012年2月28日 東京朝刊
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