東京電力が大口需要家に電気料金の平均17%の値上げを要請していることについて、日本自動車工業会の志賀俊之会長(日産自動車最高執行責任者)は16日の記者会見で「(自動車会社は)円高でもモノづくりを国内に残そうと(コスト削減に)懸命の努力をしている。東電が同じくらい努力した上での値上げなのか」と述べ、強い不満を表明した。
その上で、自工会としては「今後、(値上げに対する意見表明の)コメントを出すなどの活動をしていく」と述べた。
志賀会長によると、日産の完成車工場の電気料金は年間約100億円で、自動車1台当たりで1万円。東電の値上げ要請に応じれば、1台当たり2000~3500円のコスト増になるといい、下請けの部品メーカーなどを含めれば負担はさらに膨らむとしている。
志賀会長は「電気代が上がったからといって消費者に価格転嫁するわけにはいかず、値上がり分は現場と部品メーカーが吸収することになる。(東電には)国内のモノづくり産業にどういう影響を与えるか考えてほしい」と懸念を示した。【米川直己】
毎日新聞 2012年2月16日 20時25分
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