人・文化づくり部会
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1.委員一覧
姓名 部会役 所属・役職
李 明 部会長 京都韓国学校教頭
朴 一 委員 大阪市立大学経済学部教授
金一男 委員 東京韓国学校理事
金広照 委員 在日韓国YMCA理事
河正雄 委員 文化芸術協会会長
朴載午 委員 株歯堂CCディレクター
李秀南 委員 韓国青年会中央組織部長
呉徳洙 委員 映画監督
郭政義 委員 民族教育促進協議会代表
鄭早苗 委員 大谷大学教授
李美葉 委員 京都市外国籍市民懇話会委員
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2.会合開催概要
@第1回 2000年12月2日〜3日(12名参加)
A第2回 2001年2月10日(10名参加)
B第3回 2001年4月14日(12名参加)
C第4回 2001年6月15〜16日(7名参加)
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3.中間報告
@人づくり/民族教育
1)公教育における民族教育権の確立
1.文部省との交渉を積極的にすすめる
「91年再協議韓日外相覚書」を根拠に、民団中央本部は文部省に働きかけ、地域における民族教育権の確立を求める
2.各都道府県(地域)における民族教育権の確立をサポート
民団は地域における民族教育権確立に向けて、各種市民団体の行政交渉をサポートする。
2)民団事業全体を民族教育事業として見なおす
1.民団の機能活性化へ
明らかに民団の求心力は低下してきた。民団がこれまで求心力を維持してこられたのは、基本的に血統と文化的背景を基盤とする民族としての絆である。しかしそれは現在、三世・四世の時代が到来するとともに大きく動揺している。いかなる集団も常に一定の価値観を共有して常に存在する。その価値観の体系を拡大再生産する過程が、「教育」である。
民団の足腰が弱り求心力が低下しつつある現在、その方法論以前に、民団が民団事業の最重要課題として民族教育を位置づけ、言葉はもちろん民族芸能や慣習の伝承をも含めて「在日」としての価値観を再定立する必要がここにある。
2.共生社会を生きる資格
21世紀を展望した上で、私たちの掲げるスローガンに「共生社会」がある。複数の伝統文化に共通かつ平等な価値のあることを確認し、文化的な共存と共栄を図ろうとするものである。この共生社会に参加する資格は、社会に参加する一人一人と各集団とを区別しうる、個性としての各人各集団のアイデンティティーにある。アイデンティティーによって、集団または個人としての「在日」が日本社会・日本人と区別化されなければいけない。複雑さと曖昧さは大きく違う。在日のアイデンティティーが複雑であることは正しいが、曖昧であることは望ましくない。この反省にのっとり、教育事業の方法とシステムは見なおされなければならない。
3.同胞社会の弱者(女性、オリニ、障害者等)に対する施策
在日同胞は、自分たちを日本社会の中の弱者と位置づけ、自らの社会的権利向上、権利獲得を声高に叫んできた。そして一定の権利を獲得した。しかし弱者の中の弱者、女性、オリニ、障害者に対して高い関心を持ってこられなかったし、具体的な施策がなかった。民団新聞を通じてスポットを当てる等今まで以上の関心と具体的取り組みが必要である。
3)既存の民族学校機関との組織的関係を積極的な方向で立て直す
既存の民族学校4校及び定時制韓国学園と民団が有機的関係にあるとは言い難い。民族学校からも助成金の捻出と生徒募集以外にはこれといった要望を民団にしない。また民団も、民族学校への限定的助成の継続にしか力量を割けないできた。
今後はこうした関係を打破し、定例的な情報交換などを通じ、積極的に民団組織が民族学校・学園の発展に貢献しうる関係を構築していかなければならない。民族教育機関の発展は、同胞社会全体の発展に大きく貢献するであろう。民団と韓国学校・学園との恒常的なパイプを通して協力関係の具体化が望まれる。また学校・学園施設の全同胞的な活用が望まれる。
A文化づくり
1)在日文化史の整理
手軽に使えるものとして、「民族教育ハンドブック」的なものを制作し、在日の文化史を網羅する。
2)「在日文化ポータルサイト」の開設を通じた文化史の弘報
在日文化ポータルサイトを開設し、文化史の弘報と継承を兼ねる。HPを通じ在日文化史の情報集積と発信を兼ねることができる
3)独自文化創造に向けた「在日文化賞」の創設
民団が中心となり年に1回、〇文学(小説・詩歌・エッセイ、ノンフィクション)〇美術(絵画・彫刻・工芸・陶芸)〇音楽(作詞・作曲・器楽・歌唱)〇演劇(戯曲・演出・役者・舞台美術)〇映画(脚本・監督・撮影・俳優)〇舞踊(バレエ・民族舞踊)〇芸能(歌謡・漫才・漫談)等、部門別にもっとも活躍した若手文化人へ「在日文化賞」を授与する。
それによって、@新しい表現者が発掘されA若い人材が育ちB独自的「在日文化」の創造の場となりC人的交流が促進されD在日の文化活動が社会的に認知されるという効果を産む。
4)イベント企画『在日百年フェスティバル』
「在日」が歩んできた歴史を視覚的(客観的)に自ら捉えなおし、三世・四世はもちろん、日本社会にも伝えていくことを獲得目標に、日本の大都市を中心に『在日百年フェスティバル』を開催する。内容としては@在日の渡日史、形成史、生活史のパネル展A在日の作家による絵画、工芸品の展示B芸能披露、映画上映、コンサート開催等が考えられる。 |