宮崎県延岡市は、殻ごと食べられることをアピールして売り出している特産伊勢エビのパンフレットに、消費者の誤解を招きかねない健康成分についての記述があるとして、3日から自主回収している。
この商品は脱皮直後の伊勢エビを冷凍処理した「のべおかソフトシェルイセエビYAWARA」。社団法人「延岡湾栽培漁業協会」(日高光明理事長)が市の基金事業を活用して2010年度に商品化、生産販売している。揚げものや炒め物にして軟らかい殻ごと食べられるのが特徴。
パンフは市水産課職員が作製し、飲食店や行政関係者に約1500部を配っていた。殻に含まれる「キトサン」「グルコサミン」などの健康成分を、インターネットの記述を参考に「殻ごと食べるということで摂取しやすくなります」としたが、脱皮直後の殻にどの程度含まれるかなどは検証していなかった。
県延岡保健所が今月2日、記述が健康増進法違反(誇大表示)に当たる恐れを指摘した。市農林水産部の浦田正一部長は5日、「消費者におわびしたい」と陳謝した。
=2012/03/06付 西日本新聞朝刊=