セイコーホールディングス、セイコーウオッチ(セイコー、東京都港区)とセイコーエプソン(エプソン、長野県諏訪市)は東京都内で5日、ソーラーGPSウオッチ「セイコー アストロン」を発表した。腕時計にソーラーGPSを搭載し、世界のどこにいても、GPSが受信できる場所であればボタン一つで正確な現在時刻が表示される技術で、世界で初めてという。
「セイコー アストロン」は、エプソンが独自に開発したGPSモジュールが、4基以上のGPS衛星から緯度、経度、高度情報を取得し、ユーザーの位置を測定。この情報をもとに世界39の全タイムゾーン(標準時間帯)を自動的に特定し、ユーザーの所在地の現在時刻を表示する。電波時計と異なり、電波塔からの標準電波が届かないところでも利用でき、ソーラー方式なので、電池交換は不要だ。
操作は時計の2時位置の側面についているボタンを6秒押すと、タイムゾーンが修正され、現在地の正確な時刻が表示される。機内モード(航空機の離着陸時はGPS衛星電波受信オフが必要)や、サマータイム表示などの機能も一目で分かるようデザインされている。
一般にGPS情報取得には、高い消費電力が必要とされるが、エプソンは「セイコー アストロン」の開発にあたって、GPSモジュールを従来の5分の1まで省パワー化、消費電力の低減を図ったという。
「セイコー アストロン」についてセイコーホールディングスの服部真二社長は、「1969年のクオーツの発表に続く、第二の革命」と評価、エプソンの碓井稔社長も「桁違いの高精度ウオッチ」と語り、次世代の腕時計の主流に成り得るものと期待を寄せている。
「セイコー アストロン」は9月下旬、全世界で発売予定。ケースとバンドにブライトチタンを採用したものが3種類で、価格は19万9500~21万円。強化シリコン製バンドとステンレススチールケースにあわせたスポーティーラインが2種類で、15万2250~15万7500円。【文、江刺弘子・動画、村田由紀子】
2012年3月5日
岩手県・宮城県に残る災害廃棄物の現状とそこで暮らす人々のいまを伝える写真展を開催中。