障害者自立支援法の廃止を求めた違憲訴訟の元原告・弁護団が5日、東京など全国14の提訴地で記者会見し、同法の廃止を改めて訴えた。政府は理念や名称を改めた改正法案を新法と見なして国会提出予定で、「微修正で済ませるのは子供だましで許されない」と政府方針を批判した。
同法は自公政権下の06年に完全施行されたが、福祉サービス利用時に原則1割の自己負担を求める内容などに障害者団体らが反発、各地で一斉提訴した。民主党政権が廃止方針を示し、国と原告側が新法制定で基本合意し訴訟は終結。だが、政府の改正法案は現行法の枠組み踏襲にとどまっている。
原告の深沢直子さん(45)の母智子さん(74)は「首相官邸で鳩山由紀夫首相(当時)が新法を作ろうと目の前で言ってくれた。その約束をほごにするのか。弱い立場の者が力を合わせて基本合意に至ったのに、国が無視することに怒りに燃えている」と訴えた。【石川淳一】
毎日新聞 2012年3月5日 19時13分(最終更新 3月5日 19時46分)
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