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震災時の医療活動巡り議論

3月5日 19時13分

震災時の医療活動巡り議論
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東日本大震災の発生からまもなく1年になるのを前に、発生直後の医療活動を振り返るシンポジウムが仙台市で開かれました。

シンポジウムは、東北大学病院が企画したもので、被災地の最前線で医療活動に関わった医師や自治体の関係者、それに警察や消防などの担当者が当時の活動を報告しました。
この中で、石巻市などで医療活動を指揮した石巻赤十字病院の石井正外科部長は、大規模な災害現場では、状況をいち早く把握し医療チームの配置などを専門に行う“災害医療コーディネーター”を中心とした調整の仕組みが不可欠だと指摘しました。
そのうえで、調整役としての能力を持った医師などを養成する研究所を新たに設立する構想を明らかにしました。
また、気仙沼市立病院の成田徳雄脳神経外科長は、応援の医療チームが次々と入れ代わることから、市の災害対策本部会議の場を通じて行政とも情報を共有する仕組みを作り、医療活動が長期化するなかで、感染症対策などに役立ったと説明しました。
このあとの討論では、どんなマニュアルを用意しても、大災害の現場では、いわば“応用問題”ばかりになるため、とにかく迅速な初動態勢を取る備えを重視し、予期せぬ事態に柔軟に対応できるようにすることが大切だとする意見が相次ぎました。