東電総合計画で家庭10%値上げ、議決権・首脳人事の調整続く

2012年 03月 5日 17:11 JST
 
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[東京 5日 ロイター] 東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)が家庭用の電気料金を10%値上げし、2013年度中に柏崎刈羽原子力発電所の再稼動を目指すことなどを柱とする「総合特別事業計画」の概要がわかった。複数の関係者が5日までにロイターに明らかにした。

計画では東電が1兆円規模の公的資本注入を政府に申請することも明記するが、政府が応じる場合の議決権比率と新しい経営トップの人選をめぐり政府と東電側の調整が続いている。

東電と原子力損害賠償支援機構が共同で総合計画の策定作業を進めてきた。同計画は福島第1原発事故の賠償資金支払いで東電が政府から資金援助を受けたため策定を求められた。政府への公的資本注入の要請は、福島原発の廃炉費用や、20年度までに毎年数千億円規模に上る社債償還費(12年度は約7500億円)など今後の資金需要に対応するための財務基盤強化が目的。政府の出資と併せて金融機関から約1兆円の融資を受けることも盛り込む。東電と機構は総合計画を月内にまとめ、枝野幸男経済産業相の認定を待つ。

<夏に家庭向け値上げ目指す>

政府出資や金融機関からの融資が実行された場合でも、今月末には柏崎刈羽6号機が停止することで東電の全原発が停止し、これによる火力燃料費の増加で同社は赤字体質が続く。このため、すでに発表している企業向けの電気料金の17%値上げに加え、家庭向けでも10%の料金引き上げを盛り込む。総合計画の認定が得られれば、すぐに経産相に家庭向け料金値上げについて認可申請し、認可が得られれば7月にも値上げを実施する。値上げと13年度中の柏崎刈羽再稼動による収支の改善のほか、10年間のコスト削減額を従来計画で示した2兆6000億円から上積みすることの効果を見込み、総合計画実施から3年目の14年度での黒字化を目指す。

ただ、枝野経産相は2月13日、東電の西沢俊夫社長に対し、電気料金の値上げについて「需要家負担の最小化を重視した(総合)計画にしていただきたい」と指示しており、値上げ幅圧縮や実施時期の遅れの可能性も否定できない。また、柏崎刈羽の再稼動は地元の泉田裕彦・新潟県知事が、政府が導入したストレステストでは不十分だと発言するなど再稼動には慎重姿勢のため、13年度中の再稼動が実現するかどうかも不透明だ。

<難航する議決権・首脳人事>

組織面での改革は、企業統治の透明性向上に向けた「委員会設置会社」への移行や、1)燃料調達・火力発電、2)送配電、3)小売り─の3部門をカンパニー(社内分社)として分けることが盛り込まれる。枝野経産相は西沢社長に「思い切った事業再編」も総合計画に入れるよう求めたが、現行の電気事業法が発送電の一体運営を求めている制約もあり、総合計画では将来の発送電分離をにらんだ送配電や火力発電の分社化といった抜本的な組織再編には踏み込まない。   続く...

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