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首都高 大規模改修の検討開始

3月5日 19時13分

首都高 大規模改修の検討開始
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首都高速道路は、管理する道路のおよそ半分で、建設から30年以上が経過し老朽化による損傷が増えているため、今後、大規模に改修していく必要があるとして、有識者による委員会を開き、具体的な工事方法などについて検討を始めました。

首都高・大規模改修の検討開始

首都高速道路は、管理している300キロの道路のうち半分近い140キロは建設から30年以上が経過し、そのうち40年以上が経過しているものもおよそ90キロに及んでいます。
このため、高架橋の橋脚に亀裂が入ったり、道路にひび割れが入ったりするなど老朽化に伴う損傷が年々増えています。
首都高速道路は、損傷部分はそのつど補修しており、安全性に問題はないとしていますが、今のまま補修を続けるよりも大規模に改修したほうが安全性も高まり、コストの面でも安く済む可能性があるとして、有識者による委員会を設置して具体的な検討に入りました。
5日は委員会の初会合が開かれ、首都高速道路の橋本圭一郎社長が「首都高速は、首都圏の基幹的ネットワークとなっている。永続的に使えるようにするためには、大規模な更新を考える時期にきている」とあいさつしました。
また、委員会の委員長を務める東京都市大学の涌井史郎教授は「去年3月11日の東日本大震災の経験を踏まえた安心安全な社会資本の在り方などを、さまざまな観点から抜本的に議論を進めたい」と話していました。
委員会では、改修が必要な場所の選定や、具体的な工事方法などについて、今後、議論を進めることにしており、年内をめどに結論を出す予定です。

首都高“損傷箇所は毎年2万件以上”

首都高速道路は、延長およそ300キロのうち46%のおよそ140キロが建設されて30年以上経過し老朽化が進んでいるうえ、交通量が多いため損傷箇所は毎年2万件以上見つかっています。
具体的には、高架の鉄製の橋脚や橋桁に亀裂が入ったり橋と橋の間の継ぎ目の部品が剥がれたり、また、コンクリートの壁が剥がれるなど、いずれも走行する車の荷重が長年かかることで傷むということです。
こうした損傷箇所は、点検で安全上問題があると判断された場合、優先して補修しますが、すぐに問題はない損傷箇所は後で補修するということで、補修が済んでいない所は年々増える傾向にあります。
首都高速道路によりますと、補修が済んでいない部分は平成22年3月時点でおよそ9万6600か所に及び、今後も増える傾向が続くということです。