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町に戻り犠牲者追悼 防護服の遺族ら60人参列 福島・楢葉

津波被災地を見下ろす公園で行われた追悼式。遺族らは防護服を着て式に臨んだ

 福島第1原発事故の警戒区域内にある福島県楢葉町の天神岬スポーツ公園で4日、東日本大震災犠牲者の追悼式が執り行われ、遺族16人を含む約60人が参列した。
 黙とうの後、草野孝町長が「4月の警戒区域見直しを受けて安全な住環境を再構築し、新たなまちづくりを推進したい」とあいさつ。防護服に身を包んだ遺族らが献花し、犠牲者の冥福を祈った。
 いわき市に避難する会社員大和田和夫さん(55)は母トキさん=当時(83)=を亡くした。遺体が見つかったのは捜索開始から間もない5月上旬で、大和田さんは「傷みがひどく、DNA鑑定でやっと確認できた。原発事故がなければ、きれいな姿で見つかったのに。いつか町に戻り、母を古里の墓に納めたい」と語った。
 式では町の死者・行方不明者数と同じ13本のオオシマザクラの苗木も植えた。夫の豊さん=当時(50)=が犠牲になった渡辺悦子さん(49)は「いつ見に来られるか分からないが、倒れず育ってほしい。自宅は津波に流されたが、これからはここが私の心のよりどころになる」と話した。
 この日の空間放射線量は毎時0.6〜0.7マイクロシーベルトだった。


2012年03月05日月曜日


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