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橋下徹を救世主か将軍様のように崇め持て囃すマスコミ
昨日(3/4)、フジの新報道2001に橋下徹が出演し、社会保障と税について狂暴な新自由主義のプロパガンダを吠えまくっていた。このところ、テレビの報道番組は橋下徹の専用の政見放送になっていて、「維新の会」を次の選挙で躍進させるために局を挙げて応援する態勢にシフトしている。大阪都構想など市政に関する話題がマスコミに出る場面はなくなり、国政の大風呂敷ばかりが並べられている。マスコミが「既成政党vs橋下新党」の構図を描き、宣伝し、国民の既成政党への不満や不信がそのまま裏返しで橋下徹の人気に流れ込む回路が設計されていて、「橋下徹への強い期待」が既成事実化される仕組みになっている。既成政党への反発は誰もが持っている感情であり、否定できないため、それを納得すると、自動的に橋下徹の人気も肯定せざるを得ない立場に導かれるのである。マスコミは、そのような手法で「維新の会」の高支持率の現象を説得し、刷り込み工作を反復させ、政策の中身以前のレベルで橋下徹への「期待」を扇動している。橋下徹をアプリオリに救世主の存在に演出していて、この光景は郵政解散の頃の小泉純一郎への偶像崇拝と全くと同じだ。マスコミは、次の選挙で「維新の会」に圧勝させる計画で動いているのであり、その目標と想定が先にあり、その準備として現在の政治報道があるのだ。


実際には、橋下徹が掲げている政策の中身は、大衆が既成政党に裏切られ傷つけられた原因であるところの、新自由主義の政策をさらに極端に進化させたものだが、マスコミは小泉・竹中のときに大衆を騙したのと同じ手口で、今回も橋下徹への大衆の帰依と陶酔の調達に成功しつつある。そう言えば、小泉・竹中のときも、「自助」が喧伝され、貧困に落ちた弱者が自己責任だとして叩かれ、労組が既得権益者として槍玉に上げられた。思想状況は現在と全く同じで、要するに小泉・竹中の時代に本卦還りしている。昨日(3/4)のフジの番組では、橋下徹が働ける者への生活保護の打ち切りを猛然とまくしたて、稼働能力のある者でも支給対象から除外しない方針で制度運用している厚労省を口汚く罵倒していた。この2年ほど、財政難の中での生活保護の支給額増加があり、民主党政権の右旋回があり、2009年3月に厚労省が方針転換した通達を反故にして、水際作戦の復活を世論の合意にしようと企むマスコミ報道の策動が目立っていて、橋下徹が大阪市長になったら必ず突破してくるだろうと予想していたが、案の定、この問題に攻勢をかけてきた。2009年3月の厚労省(保護課長)通達は、あの日比谷派遣村の直後に得た成果であり、NHKの『ワーキングプア』から反貧困の運動を経て、国民が勝ち取った生存権(25条)の権利だった。そこには、例の北九州の餓死者をはじめとして、水際作戦で殺された幾多の犠牲者の無念がある。

橋下徹によれば、厚労官僚は、この政策要求に対して、「それは苦役の強制になる」と反論し、憲法25条を根拠にして首を縦に振らなかったのだと言う。橋下徹は憲法25条を公然と否定しているわけで、この番組は憲法25条を貶める政治宣伝が趣旨だった。この番組には、橋下徹の他に民主党の古川元久と自民党の林芳正が出演していたが、林芳正は橋下徹への賛同を積極表明、「厚労省の課長をギリギリ絞り上げれば、議論で簡単に実現できる」と戦法を指導、一緒にやろうと共闘と支援を呼びかけていた。自民党も(麻生内閣時の)2009年3月の厚労省通達を反故にする構えだ。古川元久はニタニタ笑いつつ、林芳正ほど明確な賛成は言わなかったが、「橋下さん、それはぜひ西成区を特区にして成果を見てみましょう」と言い、大阪市から特区措置で対応させ、その後に全国に広げる方策をコミットした。閣僚(国家戦略相)である古川元久の発言は重い。そして、この問題については法改正は必要ない。厚労省の対応次第で決まる。おそらく、フジと橋下徹の今回の狙いはこの生活保護の政策転換で、林芳正と古川元久にも事前に平井文夫から台本の根回しがあり、番組の中で合意を作る思惑だったのだろう。古川元久は新自由主義の官僚で、派閥も政策思想も前原誠司と同じである。その古川元久に対して金子勝が賛辞を送っている。金子勝は玄葉光一郎を評価する発言もしていて、民主党の政経塾系の政治家へのエールを送り続けている。

金子勝がマスコミから干されない理由は、こうした遊泳術があるからだろう。金子勝の狡猾で卑劣な点は、新自由主義の悪性のシンボルを「小泉・竹中」だけに押しつけ、新自由主義批判をそこだけに限定し、民主党右派の政経塾組に対してはその性格づけを免除することだ。生粋の新自由主義である前原一派を批判せず、逆に小沢一郎を「古い自民党的体質」という言説で批判する。実際には、小泉・竹中の路線を引き継いでいるのが菅直人と野田佳彦であり、その中枢で腕をふるっているのが古川元久と玄葉光一郎ではないか。金子勝の欺瞞と倒錯はどうにも不愉快であり、左方面への影響を考えると見過ごすことができない。番組では、生活保護の論議の後、橋下徹と林芳正がフラットタックス制の導入に話題を向けた。フラットタックスとは、所得税の累進税率を廃止して税率を一律にする制度だ。次々に新自由主義の新政策がマスコミを通じて橋下徹によって披露され、予告され、宣伝される。これは、まさに人頭税の一歩手前の税制と言える。橋下徹は、このフラットタックスについて「再分配」だと言い、社会保障は「再分配」でやらなくてはいけないとなどと言う。再分配とは、本来、富裕層から集めて貧困層に配る原理であり、人頭税に接近したフラットタックスはこの原理と背反する新自由主義の制度だが、橋下徹は言葉の意味をスリ変え、再分配の言語から原義を奪い、都合よく別の概念に改造するのである。そして、マスコミの手を借りて既成事実化する。

この番組で驚いたのは、林芳正の変節ぶりと言うか二枚舌で、今回は橋下徹の同志になりきり、新自由主義の毒々しい原理主義者として舌を回していた。半年ほど前だったか、BSフジの番組に桜井充と出演したときは、二人で超党派の勉強会を立ち上げると言い、その議員グループの政策軸は「反新自由主義」だと宣言していた。政治家としての経歴をリアルに辿れば、林芳正が新自由主義者である事実は疑うべくもないが、ただ、父親の林義郎が宮沢喜一の直参子分であり、父親には東大・大蔵省がケインジアンであった当時の雰囲気が漂っていて、その記憶が世間の幻想期待を生じさせるのか、息子にもハト派のイメージが纏わりつく結果となっている。正真正銘の右翼政党と化した現在の自民党の中では、相対的にリベラルの位置取りをしていた。また、桜井充も党内で同様のスタンスにあり、親米新自由主義の右派政経塾組とは距離を置いていたため、二人の言う「反新自由主義」はそれなりの説得力を醸し出していた。その林芳正が、橋下徹のウルトラ新自由主義をテレビでエンドースしていて、橋下徹が繰り出す政策に悉く賛同している。自民党が民主党より橋下徹に近いことを視聴者にアピールし、橋下徹に懸命に取り入って媚を売っている。二枚舌もいいところであり、失望させられる正体露呈の図だったが、林芳正が一瞬で新自由主義者に立ち戻らなければならないほど、それだけ、橋下徹はマスコミ世界で絶対者として君臨しているのであり、その口から放たれる政策は正義で無謬なのだ。

先週の野田佳彦と谷垣禎一の極秘会談について、マスコミ(古舘・大越・岸井)は両手を挙げて大歓迎のコメントを連発し、早く二人で手を組んで消費税増税を断行しろと背中を押している。消費税増税に慎重だった古舘伊知郎も、ここへ来て民自協議(=大連立)に賛成の立場に回り、何度でも極秘会談をやれと嗾けるようになった。消費税増税法案の提出まで2週間、予想したとおり、修正で可決成立の決着に向かいつつある。野田佳彦と谷垣禎一は、候補者調整をした上で次の衆院選に臨むのであり、小沢系の新人議員を落選させ、自民党の元職を復活させ、大連立を盤石にするつもりでいる。増税法案の採決で造反した議員には選挙での公認を与えない。小沢派は採決への対応を悩まされるだろう。ただし、選挙が大連立含みで行われるとなれば、「維新+みん」はそれに乗ることはせず、逆に増税反対を看板にして、既成政党批判で票を取るべく選挙区に独自候補を立てるに違いない。「民主+自民」と「維新+みん」の選挙戦の構図となる。小沢派は選挙区に現職がいるため、やはり単独で戦わざるを得ず、大連立と維新の間で埋没し、勢力を全滅させるだろう。「民主+自民」の大連立は、ある意味で一つの生き残り策である。もし、選挙区で民主、自民、維新の三候補が戦う図式になれば、既成政党の票が割れ、風を受けて無党派の票が流れ込む維新が圧倒的に有利な情勢になる。大連立で戦えば、勝利の目が残る。

重要なことは、「民主+自民」vs「維新+みん」の選挙になっても、政策の対立軸は何もないということだ。3年前のような本格的な政権選択の選挙にはならない。「維新+みん」が、どれほど選挙公約で消費税増税を否定し、脱原発を言い、政権を握ったとしても、それは選挙後に橋下徹によって簡単にひっくり返される。選挙が終わった後、橋下徹が中心になって政界再編をやり、選挙前の公約を一瞬でリセットする。「維新+みん」に自民も民主も加えた大政翼賛会の政権を作り、改憲の発議へと一直線に突き進むに違いない。マスコミとネット(右翼)はその動きを歓迎する。官僚は、そもそも消費税増税を阻止する政権や指導者など絶対に許さないし、橋下徹であれ誰であれ、消費税増税の転覆に出て来たら、すぐに国税と検察を使って強制捜査に及び、司法とマスコミの権力で追い落としにかかる。小沢一郎を潰したように。橋下徹もそれはよく心得ているわけで、うわべは官僚批判のポーズを取りつつ、裏では官僚とくっついていて、官僚が反発する政策は採用しない。小泉純一郎の政治と同じだ。現在の「増税反対」や「脱原発」は単なる人気取りの口上であり、選挙の後はすぐに捨てる紙の上の標語に過ぎない。大衆を騙して支持を稼ぐ手段であって、既成政党との差別化を強調するための見せかけである。その点は、みんなの党の渡辺喜美も全く同じで、消費税増税や原発への反対が口先だけだということは、この男とこの集団の腹黒さを少し考えれば容易に分かることだ。

7年前、小泉純一郎は将軍様で、日本のマスコミは例外なく北朝鮮中央テレビになっていた。今、橋下徹が将軍様になっている。


by thessalonike5 | 2012-03-05 23:30 | Trackback | Comments(0)
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