愛の経営参謀のブログ

菜根譚の「徳は事業の基なり」が基本

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オムロンのパワコン

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太陽電池シェア争いは厳しい戦いが続いている、そんな中で、オムロンの
パワコンが鍵を握っているという。海外勢も含め日本の良い技術が省エネ、
そして、CO2削減にどう貢献するか、重要なことです。

家庭用太陽光発電市場は拡大し、シェア争いが激化している。政府の手厚
い補助策によって国内需要が拡大し、シャープ、京セラ、三洋電機、三菱
電機の国内大手4社が寡占してきた市場に、昭和シェル石油やホンダの子
会社、さらには中国サンテックパワーなど海外勢が続々と参入、シェアを
食い合っている。その中でも、安値を武器に参入する海外勢の勢いはすさ
まじく、2008年度の出荷実績ほぼゼロから、09年度は上半期のシェアは12
%に達した。

このまま、攻勢をかける海外勢が国内メーカーのシェアを奪い続けるのか。
群雄割拠の大競争を左右するカギを、実は意外な企業が握っている。基幹
部品「パワコン」の輸入事業者への供給を一手に引き受けるオムロンだ。
オムロンはパワコンを増産するのか、しないのか、するならいつか。その
決断が競争環境を大きく変えることになる。

<家庭に設置したオムロン製の「パワコン」>
家庭に太陽光発電システムを導入すると、屋根に乗せる太陽光発電パネル
だけでなく、屋内に弁当箱のような長方形の機器を設置する。この地味な
機器が「パワコン(パワーコンディショナー)」だ。太陽光発電パネルが
日光を浴びて作る電気は、コンセントから流れる電気と性質が異なり、そ
のままでは使えない。パワコンは電気の性質を変更し、家庭で使える電気
にして供給する。ほかにも安全性の維持など様々な役割を果たしており、
太陽光発電システムに欠かすことのできない部材だ。

パワコンに求められる品質は各国によって異なる。国内で使われるパワコ
ンの品質は電気安全環境研究所(JET)が厳しく管理しており、JET
の認証を得ていることを示すラベルがはられていない製品は使えない。

日本の水準は非常に厳しく、検査項目は30にも及ぶ。これまでにもいくつ
かの海外メーカーが「受験」に臨んだが、JET認証の壁に阻まれ、国内
販売できなかったケースもある。すでに、技術が世界標準化した太陽光発
電パネルは、多くの海外製品が国内市場に流入しているが、海外パワコン
の国内販売への壁は高いのだ。

割安な海外製太陽光発電パネルを輸入しても、パワコンがなければ商品に
はならない。輸入事業者は国内パワコンメーカーに供給を依頼するが、そ
の選択肢は限られている。国内のパワコンメーカー4社のうち、シャープ、
三洋電機、三菱電機は自らパネルも製造し、国内販売している。各社とも
国内販売を伸ばしており、パワコンを他社に供給する余裕は乏しい。たと
え余裕があったとしても、ライバルとなるニューカマーにわざわざ塩を送
るような選択はしないだろう。そこで、自らパネルを製造・販売していな
い唯一のパワコン大手メーカーであるオムロンに注文が集中している。

オムロンは京セラ向けのパワコンを中心に生産してきたが、輸入パネル向
けにも積極的にパワコンを供給してきた。熊本県内の子会社の工場では、
昨夏までにほかの製品と共用だった生産ラインを専用にし、生産人員も2
割増強した。昨夏の段階で、今年度の出荷量見込みは前年度比倍増の10万
台。担当者が「この好調さは3年くらい続くのでは」というほどで、生産
増強をしたばかりなのに、さらに新しいラインの設置を視野に入れていた。

昨年11月、家庭向け太陽光発電の補助が拡大された前後に、さらに多くの
事業者が輸入太陽光発電の販売を始めた。多くの事業者が一気に参入した
ことで、オムロン製パワコンは急速に不足し始めた。

「オムロンからのパワコン供給数が制限され、思ったように販売数量を増
やせない」「大切な立ち上げ時期にパワコンの供給が間に合わないのは痛
い、春先に増産するとのうわさに期待するしかない」。商機ととらえ、こ
ぞって参入した輸入事業者は、ボトルネックとなったパワコンの調達に四
苦八苦している。

供給先の声に応えて、オムロンはいつ増産に踏み切るのか。割安な輸入太
陽光発電パネルがオムロン製パワコンの潤沢な供給を受けて市場を席巻す
れば、国内勢は大幅にシェアを食われかねない。市場の構造が大きく変容
する可能性があるだけに、オムロンのパワコン増産とそのタイミングに、
高い関心が寄せられている。

もっとも、輸入事業者はオムロン頼みのビジネスではあまりにも不安定だ。
一部では別の道を探り始める動きも始まっている。

シャープから受託してパワコンを生産している田淵電子工業(栃木県大田
原市)。現在、月5000台程度をシャープ向けに製造しているが、最近にな
って、「パワコンを分けてくれないか、との連絡が多く寄せられている」
という。生産人員を増やし、ラインの稼働時間を延長すれば増産は可能で、
「(シャープ以外の)他社向けにパワコンを供給することもあるかもしれ
ない」と含みを持たせている。
シャープ向け「パワコン」を作る田淵電子工業の工場は昨年同期の2〜3
倍の生産をしている(栃木県大田原市)

海外からの輸入を目指す動きもある。1月6日、JETのパワコン認証を
韓国LS産電が取得した。海外製パワコンが認証を得たのは2社目。LS
産電が作る太陽光発電パネルを販売するサニックスは1月中にオムロン製
パワコンをLS産電製パワコンに切り替え、サニックスブランドを付けて
販売する。

これまで多くの海外製品を跳ね返してきたJETの壁だが、「LS産電は
かなり研究を重ねた跡がうかがえ、質の高い製品にしてきた」(JET幹
部)という。試験期間わずか2カ月のスピード合格だった。海外製パワコ
ンはもう1社が試験中。別の2社の製品の試験も始まる直前のほか、さら
に2〜3社が認証取得を目指して動いている。長期的には海外製パワコン
も確実に国内市場に広がりそうだ。

成長市場と期待される太陽光発電市場。日を浴びて目に付く発電パネルの
商品性だけでなく、日陰に置かれるパワコンの調達力がシェア拡大のポイ
ントになりつつある。

日経産業新聞より一部抜粋

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