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中日は脱落合キャンプに大失敗

日刊ゲンダイ 3月4日(日)10時0分配信

<成果は高木監督のサインだけ?>

 中日は今年のキャンプで徹底した「脱落合」を進めてきた。重視したファンサービスでは、高木監督が連日のように即席サイン会を開催。球団関係者によると、「ほぼ毎日、1〜2時間はサインを書いていた。宿舎でもストックを用意していたから、1日平均300枚強は書いたんじゃないか。キャンプ29日間で1万枚は書いたはず。高木監督も『北谷に来たファン全員にサインが行き渡っただろう』と笑顔だった」という。
 打ち上げとなったこの日(29日)、落合監督時代にはなかった「一本締め」ならぬ「三本締め」を9年ぶりに行ったのも、新生ドラゴンズを感じさせた。
 が、肝心のチームの方はというと、どうもパッとしない。総括を行った高木監督は、「成果? 成果はね。そんなに」と渋い表情を浮かべると、「目立った選手も特別には。(オーダーは)昨年とほとんど変わらないと思う。(森野、和田ら)レギュラーが本来の力を発揮してくれたら。昨年のような成績はないでしょう」と話した。思ったように若手が伸びなかったため、落合時代のメンバーで今季を戦わざるを得ないというわけだ。
 投手陣は権藤投手コーチが「一軍の12人を選ぶのは難しい」と言うほど戦力は豊富だ。だが、レギュラー陣の高齢化が進み、若手への切り替えが急務となっている野手陣は、監督自身が首をひねる状態。しかも、指揮官が頼りにするレギュラー陣にもこのキャンプで不安要素が露呈した。
 沖縄でのオープン戦を含め、若手を試すために9試合もの実戦をキャンプで行ったが、そのあおりを受けて、主力の実戦不足が問題に。試合優先のため屋外でのフリー打撃も制限され、主力の打ち込みは室内に追いやられた。屋外で打ち込みたいと、わざわざ車で20分の距離にある二軍の読谷に移動する選手も続出したほどで、チーム内から「室内では打球の感覚がつかみづらい。今年はただでさえ雨が多かったから、ベテラン組も万全な調整ができたとはいえない」という声も出ている。
 若手、ベテランに収穫が少なかった今年のキャンプ。残ったのが高木監督のサインだけというのなら、寂しい限りだ。

(日刊ゲンダイ2012年3月1日掲載)

最終更新:3月4日(日)10時0分

日刊ゲンダイ

 

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