JR武蔵野線に注目が集まっている。ダイヤ改定で利便性が向上し、17日には埼玉県吉川市に待望の新駅「吉川美南(みなみ)駅」が誕生する。不便な貨物線のイメージだった沿線は、買い物客らでにぎわい、真新しい家々が建ち始めている。
■増加続く新住民
ピー、ピー、ピー。
警告音とともに、「列車が通過します」というアナウンスが流れた。しばらくすると、速度を上げた東京行きの快速電車が、吉川美南駅を通り過ぎていった。
新駅の南側は宅地開発が進み、新住民が続々と増えている。
吉川市職員の堀江豊さん(39)は9年前、草加市から引っ越してきた。まだ新駅構想がなかった時に建てたマイホーム。新駅まで歩いて約10分の近さだ。「春から長女は高校生、長男も中学生。これからは新駅を使って通学が出来る。新住民同士のつながりも広がり、満足です」
主婦の高橋直子さん(46)は3年前に市北部から新駅近くに移り住んだ。家族5人暮らし。「いくつも公園があり、住環境は満足。スーパーが出来てくれればもっといい」と話す。
新駅は新三郷駅と吉川駅の間に位置し、東洋一の規模を誇っていた武蔵野操車場の跡地にできる。武蔵野線全線では27番目の駅で、総事業費は71億7千万円。JR側が25億6千万円を負担する。