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'12/3/5

中国成長率7・5%に引き下げ 全人代開幕、温首相が表明

 【北京共同=清水敬善】日本の通常国会に当たる中国の第11期全国人民代表大会(全人代)第5回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。温家宝おん・かほう首相は政府活動報告で、今年の経済成長率目標を昨年の8%から引き下げ、7・5%と表明。7%台は2004年以来8年ぶり。中国共産党の最高指導部交代を今年秋に控え、成長優先路線を修正し、経済と社会の安定を図る考えだ。

 成長率目標の引き下げは、アジア通貨危機後に経済が低迷した1999年以来。また、今年の消費者物価指数(CPI)を4%以内に抑えることや、個人消費拡大を今年の重点課題とすることも表明。

 欧州債務危機については「短期間で解決されるのは難しい」と懸念。世界経済の先行き不安が強まり、国内では貧富の格差や不動産バブルなど社会矛盾が噴出しており、中国政府は経済発展の質的向上を目指す。

 会期は14日まで10日間で、次期指導部入りが予想される党幹部らの動向も焦点。温首相は不動産市場引き締めの方針も強調するとみられる。

 中国は05〜11年に7年連続で8%の成長目標を掲げ、北京五輪や上海万博を経て毎年10%前後の高度成長を実現。世界第2の経済大国に台頭したが、先進国経済が低迷する中、輸出依存型から内需主導経済への転換を目指している。




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