経済の死角

東京近郊&東北全92ヵ所を独自調査
これが現実「観光地放射能汚染MAP」

2011年07月15日(金) フライデー
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「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿像で有名な日光東照宮では、一時0.42マイクロシーベルトを測定〔PHOTO〕足立百合

 那須塩原4・60マイクロシーベルトを筆頭に、日光東照宮、軽井沢、中尊寺金色堂、スカイツリー・・・各スポットで軒並み高い数値を記録した

 夏休みを目前に控え、旅行の計画を立てている人は多いだろう。どこをどう旅するか---家族や友人と地図を広げながら思い悩む喜びを、しかし我々は奪われつつある。

「すでに日本中が福島第一原発から漏れ出す放射線に汚染されているが、東北・関東地方は特にリスクが高い。福島第一から100km以上離れている地域でも、風の流れや地形の問題で放射線が吹き溜まっている所があり、妊婦やお子さんの旅行先には注意が必要です」(京都大学原子炉実験所・今中哲二助教)

 東北・関東地方の自治体は役所などの公共機関にモニタリング・ポストを設置するなどして放射線量を測定しているケースが多いが、各観光地のピンポイントの放射線量まではフォローできていないため、その実態が明らかにされていない。

 そこで本誌は夏本番を直前に控え、東北・東京近郊の主な避暑地・観光地92ヵ所を歩き回り、各地の放射線量を独自に緊急調査した。使用したガイガーカウンターは、ロシア政府が信頼性を公認している『SOEKS』。

 正確を期すため、一つの地点で5回連続で計り、その平均値を取った(右記表参照)。また、測定は地表から1mの高さで行った。

 一応記しておくと、政府が掲げる被曝限度量は年間20ミリシーベルトで、毎時に換算すると2.28マイクロシーベルトだ。しかし、この数値はまったくアテにならない。政府の被曝限度量は、広島や長崎に投下された原爆の放射線を直接浴びた外部被曝者の健康調査から、国際放射線防護委員会(ICRP)が作った基準に拠っており、呼吸や食べ物から放射線を体内に取り込む内部被曝の健康リスクが勘案されていないからだ。

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