2012年1月5日 20時3分 更新:1月5日 23時40分
衆院議員の定数削減問題をめぐり、民主党が09年衆院選マニフェストで公約した比例代表の80議席削減を法案化して次期通常国会に提出する構えを強めている。比例定数の削減には公明党など中小政党の反発が強いが、消費増税法案の3月提出を目指す野田政権として「身を切る改革」に取り組む姿勢を示すとともに、税と社会保障の一体改革に関する与野党協議に応じる姿勢を示さない自民、公明両党などを揺さぶる狙いがあるとみられる。
小選挙区の「1票の格差」を「違憲状態」とした最高裁判決を受け、昨秋の臨時国会で与野党の選挙制度改革協議が始まったが、公明党などは抜本改革を主張。1票の格差是正を優先させたい民主党との対立が続いており、同党の輿石東幹事長は5日、甲府市で記者団に「時間切れは許されない。政権与党の責任として自らの案を提出する」と強調した。
野田佳彦首相は昨年末、消費増税の党内論議で反対派を説得する際、議員定数削減法案の通常国会提出を約束したが、公明党の反対する「比例削減」への言及は避けている。しかし、城島光力幹事長代理は4日夜のBSフジの番組で「党独自の方向性を出すことも大事だ」と比例削減の法案を提出する考えを示唆。党幹部は「通常国会前に与野党協議を開くが、それが最後になるだろう」と語ったが、野党を協議に誘い出す思惑もありそうだ。【高橋恵子】
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