伊那谷の住民有志らでつくる「放射能測定伊那谷市民ネットワーク」は6日、飯田市内の小中学校や幼稚園、保育園の給食食材について放射性物質検査を行い、検出された食材は使わないよう求める陳情書を市議会に提出した。同ネットワークなどが昨年12月、市内の学校給食で使われたとみられる県外産レンコンを調べたところ、放射性物質が検出されたことを受けた。
陳情書は、測定結果を市が公表するよう要望。また、国がことし4月から適用予定の食品に含まれる放射性セシウムの新基準値(乳児用食品1キロ当たり50ベクレルなど)は「世界の基準からみて安心できる数字とは言い難い」と指摘。その上で食材の使用を控える基準として、同ネットワーク代表の阿部秀信さん(53)=飯田市上郷黒田=は「1キロ当たり10ベクレルぐらいにしてほしい」と話している。
同ネットワークによると、給食の調理場の一つと仕入れ先が同じレンコンを会員が同ネットワークの機器で測定した後、日本環境調査研究所(東京)に測定を依頼したところ1キロ当たり22ベクレルの放射性セシウムが検出されたという。
これを受けて市は昨年12月16日から、給食の市内全6調理場でこのレンコンの使用を自粛。市は調理場ごとに昨年10月から月1回、市内の検査機関に委託して出来上がった給食の放射性物質検査をしている。
2012年1月 7日掲載