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「中国で治療」偽り国保請求…残留邦人親族ら逮捕国民健康保険の加入者が海外の医療機関で支払った医療費の一部が給付される制度を悪用し、中国の病院で治療を受けたと偽って堺市から約50万円を詐取しようとしたとして、大阪府警国際捜査課は29日、中国残留邦人の親族の李鉄斌容疑者(41)(堺市南区)ら中国人3人を詐欺未遂容疑で逮捕した。 給付には、渡航先や医療機関の制限がなく、請求を受けた自治体は、現地の医療機関に確認を取るなどしていないのが実情という。李容疑者らは、こうした点に目をつけたとみられる。府警は同様に制度を悪用した仲間の中国人らがいるとみて実態解明を進める。 捜査関係者によると、ほかに逮捕されたのは李容疑者の妻、劉淑清容疑者(39)と長女(20)。3人は共謀し、李容疑者と次女が昨年5月、滞在先の中国・黒竜江省の病院に風邪で入院し、医療費を支払ったと偽装。同7月、虚偽内容の申請書類や領収書などを堺市南区役所に提出し、給付金を詐取しようとした疑い。 李容疑者らは6年前、中国残留邦人の親族として来日。同市では申請書に、診療内容などを治療した医師に記載してもらう必要がある。しかし、筆跡が3人の一部と酷似するなどしており、現地に確認したところ、未受診が判明したという。 同市で昨年度、同制度を申請したのは112人で、うち46人が外国人だった。 厚生労働省によると、国民健康保険法は在留期間が1年以上に及ぶ外国人には原則として保険加入を義務付けている。昨年4月時点で在日外国人約213万人のうち約85万人が国保に加入しているという。 (2012年2月29日 読売新聞)
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