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2009.08.17

921地震の李登輝の対応と八八水害の馬英九の対応を比較してみた

 今回の台風の対応は、10年前の921地震の李登輝と比較され、遅いと非難されている。では具体的に馬政権の災害に対する対応と、九二一地震の李登輝の対応の違いを簡単にまとめてみた。

国際救助の状況

九二一地震
日本(145名)、アメリカ(93名)、ロシア(73名)、スイス(40名)、シンガポール(39名)、トルコ(36名)、スペイン(28名)、ドイツ(21名)、韓国(16名)、オーストラリア(10名)、タイ(9名)、チェコ(6名)、カナダ(2名)、その他6名

  • 9月21日到着:日本隊(正午にはすでに羽田空港に待機)
  • 9月22日到着:シンガポール、アメリカ、ロシア、チェコ、スイス、オーストラリア、トルコ、イギリス、ドイツ、スペイン、カナダ、韓国、
  • 9月23日到着:国連OCHA

八八水害
災害発生後、一週間で到着した救助隊 0名。

  • 8月8日、日本、アメリカ、イギリス、ドイツなど諸国家から見舞いと、援助の打診
  • 8月10日、外交部から各代表所(台湾と、直接国交が無いため、大使館が無い)に、援助の謝絶を送付。
  • 8月11日、アメリカ、日本が再度援助を打診するが、馬政権が受け付けず。
  • 8月12日、韓国が救援を打診するが、謝絶。

 厳しい世論の批判を浴びて、ようやく馬政権は国際救助の受け入れを認めたが、しかし、災害発生から、すでに1週間以上過ぎて、救助は難しくなっている。

軍隊の派遣

九二一地震

  • 9月21日 午前1時47分、地震発生
  • 9月21日
    午前2時、陸軍総司令ならびに、各地区で、救援指揮センターが設立。
    午前3時20分、台湾中部に前線指揮所を設立。
    午前5時半 南投の被害が最も大きい事が判明、南投に前線指揮所を設立する事を要求。
    午前8時 南投に前線指揮所が正式成立。

八八水害

  • 8月8日 台風が南部に到来し、土石流など、被害発生
  • 8月9日 
    午前8時半 軍の支援要請を受ける。
    午前9時半 到着、しかし水流が予想以上で、装備不足のため、再度ボードなどを調達のため、一時退却
  • 午後12時20分 到着。

軍隊数
九二一地震
初期救援活動、陸、海、空軍、ならびに憲兵など合わせて、13万以上を動員。
災害後の復興作業では、63万人を動員し、復興作業にあたらせる。

八八水害
初期救援活動 419名
水害から、一週間後に5万名の動員。

総統の対応
九二一地震

  • 9月21日 災害発生
     午前9時 李登輝、被災地の南投を視察
     午後8時、閣議を開催
  • 9月22日 再度、閣議を実施し、「921地震救援センター」を設立し、副総統を責任者に任命。9月22日から運用開始。
  • 9月25日 緊急命令を発布し、参謀総長と共に被災地を視察、

八八水害

  • 8月8日 災害当日。
     支持者の結婚式に参加し、飲酒した上に、緊急センターに到着が遅れる。
  • 8月9日 嘉義県など被災地を視察。台北市消防局に救援を要請
  • 8月12日 屏東など被災地を、国民党県長候補者と共に視察。
  • 8月14日 国家安全会議を実施。
  • 8月15日、再度、屏東などを視察。

李登輝は軍のトップを率いて、現地を視察していたため、被災地の視察の際では、軍のトップと共に現地に向かい、状況に応じ、軍に直接指示していた。
 一方、馬英九が屏東県を視察した際、馬の隣で、最も目立つ場所に立っていたのは、屏東県長ではなく、国民党候補者で、現県長ではなかった。さらに嘉義県 の視察の際でも、馬と共にいたのは国民党候補者。災害の状況下でも、救助よりも、選挙対策に力を入れていると批判されても、仕方ないだろう。被災地でも救 援活動よりも、宣伝活動に重視した姿勢が、被災者たちから、大きく非難されている。
 また李登輝の場合、9月25日に、緊急命令を出し、トップ自ら救援並びに、復興にあたる事を明言し、またWEB上に、毎日、復興の状況を日記という形で、公表し、民心の安定につとめた。
 一方で、馬英九は緊急命令を出す事を拒否し、現行法の範囲内で処理する事を主張したた。その結果、本格的な救助活動に1週間近く、手間がかかる事になってしまった。

 地震と、台風では、被災後の状況はまったく異なるため、単純に比較する事は出来ないが、馬英九の危機対応は李登輝と比べ、あらゆる点で後手に回り、さらに失言を重ね、火に油を注ぐ結果になっている。

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コメント

八八水害、大変心配です。
日本語で読める台湾関係のサイトが少ないので、
こちらのblogには色々勉強させてもらってます。
これからも楽しみにしています。

台湾のBBSで一番大きなサイトPTTでも921地震と八八水害とを並び比べています。対応が遅れた上、馬さんは人民に対して「無関心」「彼ら(they)のせいだ」「問題発言」「(総統としての)私は被害者たちの大きなpunching bag、村長は小さなpunching bag」(要は、彼はただ感情的な非難しかないと言っている)等等、台湾の総統はこんな有様とは悲しく感じます。

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