静岡県知事ら8首長が11日を目指して設立を呼びかけている連携組織「『みんなの力でがれき処理』プロジェクト」について、山田啓二知事は2日の定例記者会見で、府として賛同し、参加する意思を明らかにした。【入江直樹】
プロジェクトは震災廃棄物(がれき)の広域処理を進めるために自治体間で情報を交換し、一致協力するのが目的。細野豪志環境相が設立を提案した。既にがれきを受け入れたり、受け入れに積極的な静岡や神奈川などの県・市の首長が呼びかけ人になっている。
山田知事は「広域処理しなくてはいけないのは事実。関西広域連合で基準づくりを進めているのに(連携には)関係ないというのはおかしい」と説明。その上で「住民(の意思)は無視できないし、市町村の力を借りる努力もする」と受け入れへの府としての姿勢を述べた。
広域連合では現在、がれき受け入れを表明した大阪府が定めた1キロ当たり100ベクレルというセシウムの数値を基準にして、受け入れ検討を進めている。山田知事はこの値について「食料で言えば食べてもいい基準。放射能に汚染されていないものしか受け入れないのが前提だ」と受け入れへの理解を求めた。
毎日新聞 2012年3月3日 地方版
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