「5万や10万の献金でどうにかできるわけなんかないでしょ。『萌春会』の会長になったのも、あくまでも個人の信条に基づいて知事を応援しようとしただけです。『深い関係にある』とか『癒着』だとか言うほうがおかしいよ」
南山氏は悪びれた様子もなく、あっさりとこう答えた。北電の元トップにとっては、10万円もはしたガネだというのである。原発マネーに慣れきったからなのか、たいした金銭感覚である。
北海道電力はどう答えるか。
「それぞれの個人的意志でやっていることなので、当社としましては承知しません」(総務部)
問題はまだある。高橋知事の就任後、道庁OBの天下りを北電が受け入れるようになったのだ。道議会の元事務局長など、これまでに北電やその関連会社に再就職した道庁OBは、部長級や次長級などあわせて4人に上っている。
道庁担当記者の一人はこう話す。
「知事と北電の関係はやはり異常です。知事選では、知事の陣営に〝人〟も出していると聞きます。知事にとって泊原発の運転再開は、議論は関係なくあらかじめ決めていたのではないでしょうか」
こうした知事と北電の関係について質すため、本誌は高橋知事の後援会事務所を訪ねたが、事務員は「後で返答する」と約束しながら、その後、音沙汰はなかった。北海道庁も、首長の問題について危機感ゼロでこう答えるのだった。
「政治家としての高橋はるみは、管理している範囲ではないので、お答えする立場にありません」(広報公聴課)
泊原発運転再開の裏に見えた、知事と北電の関係。世間的にはこれを「ズブズブ」と言うのだが、当事者たちの無神経ぶりは目を覆うばかりなのである。
「フライデー」2011年9月9日号より
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