泊原発3号機「営業運転再開」の裏に北海道知事"高橋はるみ"と北電「ズブズブの関係」北電の現役役員ら10人から献金が! しかも資金管理団体の代表は「前会長」が!

2011年09月02日(金) フライデー

フライデー経済の死角

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禁止された「企業献金」か

 そしてもう一つ、高橋知事を動かしたと指摘されるのが、「北電との関係」だ。高橋知事の資金管理団体「萌春会(ほうしゅんかい)」の収支報告書を閲覧すると、気づくことがある。毎年、多くの北電の役員から個人献金を受け取っているのだ。例えば、高橋知事が初当選した翌年にあたる'04年には、北電の当時の会長や社長をはじめ計17人の役員から合計44万円、'05年には同じく17人の役員から44万円、'06年には16人から45万円、'07年には14人から41万円、'08年には10人から36万円、'09年には10人から33万円---といった具合だ。

本誌の直撃で献金についてトンデモ発言を飛ばした南山氏。北電の前会長で高橋知事の〝金庫番〟を務める

 特に'04年から'06年にかけては、常勤の役員の全員が知事の資金管理団体に献金していることになる。しかも、どの年も会長は献金額が10万円、社長は5万円、副社長は3万円、常務取締役は2万円と、役職に応じて献金額が同じ。さらに献金の時期も毎年、ほぼ統一されている。

 こうした献金の実態について、真下紀子道議(共産党)は、

「組織的に行われており、事実上の企業献金ではないか」

 と、道議会で繰り返し追及してきた。一企業が特定の政治家の資金管理団体に献金することは「政治資金規正法」によって禁止されている。高橋知事は今年6月の道議会で、北電の役員らからの献金について「それぞれの方は、個人の立場で、私の政治活動や考え方に賛同され、ご支援をいただいているものと理解しております」と答弁したが、まったく納得できない。真下道議もこう指摘する。

「道内の公益企業のなかで役員がそろって特定の政治家に献金をしているのは、北電だけです。異常な関係だと言わざるを得ません。安全協定で原発への立ち入り調査権を持つ北海道の知事が、このようなズブズブな関係を北電と持っていては、厳格な調査などできませんよ」

 しかし、こうした真下道議の追及にもかかわらず、地元の新聞の扱いはベタ記事程度で、ほとんど問題視してこなかったのだという。知事と北電の関係は地元ではタブー視されてきたのだろうか。

 取材を進めると、両者の蜜月を窺わせる材料が他にも出てきた。前述した知事の資金管理団体「萌春会」のトップである会長を'07年6月から務めているのは、北海道電力の前会長の南山英雄氏なのだ。「萌春会」の会長に就任した当時、なんと南山氏はまだ北電の会長に在任中(現在は顧問)でもあった。

 札幌市郊外の自宅を訪ね、朝、出勤する南山氏を直撃した。

---大勢の現役役員らが献金し、あなたは資金管理団体の会長まで務めている。知事と北電の関係は近すぎないか。

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