〝戦犯〟3人を憤怒直撃! これで電気料金10%アップなど許せるか 「15m超の津波試算」を 闇に葬った東電トップ

2011年09月09日(金) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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勝俣恒久会長は「広報に聞いてぇ」と話して、車に乗り込んだ。いつ試算を知ったかは東電が〝調査中〟だ

 この津波試算を巡っては、これまで東電と協調関係にあった保安院もついに愛想を尽かし始めている。25日の会見で、森山義範原子力災害対策監が、「試算があるなら評価の材料になるので、もっと早く出すべきだった」と批判。

 さらに、試算の報告を受け取った3月7日に、「設備面での対応が必要だと口頭で指導した」と主張したが、東電側は、「そういう指示を受けたことはない。やりとりを書いた議事録で確認している」と否定し、醜い責任のなすり合いに発展している。別の全国紙社会部記者が言う。

「これまで保安院は、規制官庁として厳しい態度で臨むべき場面でも強く言わず、『東電さんも緊急事態だし、時間がないですしね』みたいな感じの対応でした。ところが今回は、初めて意見が対立した。森山氏は、『試算であっても公開すべき』とまで言っています。来春には保安院に代わって『原子力安全庁』が環境省の外局に設置されるので、保安院もケツをまくりだしたということなのかもしれませんが」

 実際、本誌の取材に対し保安院広報は「今後の指導のあり方を検討する必要があるかもしれません」と話した。

 東電は、来春の電力料金10%値上げを10月にも政府に打診する予定だという。しかし、原発事故の人災としての側面が次々と明らかになっていく中、値上げより前にすべきことがある。いまだに事実を隠そうとする態度を改めることだ。

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