『まるで浮草のように』

この前のデート。

確かに楽しみにもしていたし、会えたことは嬉しかったんだけど。


でもなぜか気持ちが浮き立たないというか。
以前とは明らかに違ってきている自分の気持ちに不安を感じています。


ホレっぽくて冷めやすい。

昔から、その気はある。


でも小崎さんとは出会ってから9年。
決してすぐに冷めちゃった訳ではない。


その間ずっと好きだった。

だけどそれにもそれなりの理由がちゃんとある。


許されない関係であったし、途中ほぼ絶望的な時期もあった。
距離感だってあるし、努力しないかぎり接点なんか無に等しかった。


そんな「障害」こそが、ワタシの気持ちを長く後押ししていたんだと思えます。


今、障害が無くなった訳ではないけど。
でもあの頃から比べれば、格段に連絡も取り合えるし、会う事だって出来るようになった。

そんな状況の変化がワタシの気持ちを変化させちゃった…なんて。
まるで他人に罪を擦り付けるような嫌な考え方だな。


多分。
小崎さんは、全然変わっていない。

ワタシの事を、今もずっと好きでいてくれてるのに。


ワタシって、嫌な人間だ。
きっと、相手が誰であってもこうなんだ。


ワタシだけが変わっていく不安を、彼は理解出来ないだろうな。


今回は、時間がなかったせいもある。

アリバイ作りのためには、絶対に彼は仕事に行かなくちゃいけなかったし。
そして仕事を終えてなにくわぬ顔して彼は夕食前には帰宅しなくちゃいけなかった。


取り急ぎ…みたいにホテルにシケコミ、忙しく愛し合って。。


なんだか、義務のように抱き合うのって。

すごくむなしい事だね。