天満屋広島八丁堀店(中区胡町)が4日の営業を最後に閉店し、58年にわたる歴史を閉じる。福屋八丁堀本店、広島三越と百貨店が3店並び立ち、広島有数の繁華街・八丁堀の顔でもあっただけに、街の様相や人の流れは変わりそうだ。
天満屋は1954年にオープンした。広島市郊外には近年、相次いで大型商業施設が進出。04年に海外高級ブランドを導入し、09年にレストランの改装、10年には大型書店を誘致して差別化を図ったが、長引く不況などで売り上げは低迷していた。レストランや書店が入る7~11階は営業を継続する。現在は閉店売り尽くしセールを開催中で、4日も午後8時まで営業する。
閉店後のビルには、地階~地上6階にヤマダ電機が出店を予定しており、中央通りにあるヤマダ電機の「テックランド広島中央店」も同日閉店する。撤退後にはディスカウントストア「ドン・キホーテ」が出店を検討し、ビルを所有する「イズミ」と交渉中だ。
八丁堀一帯には、戦後すぐにバラック建ての家や商店ができ、天満屋の場所には「広島中央百貨店」があった。戦前から続く紳士洋品店を経営する大内修さん(70)は「百貨店が並んでにぎやかだった。閉店はやむを得ないと思うが、時代の流れを感じる。どのように変わるか予測がつかない」と話した。【加藤小夜】
毎日新聞 2012年3月3日 地方版
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