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フェリー航路:宇品-三高、芸備商船が撤退へ 新会社で存続 大須寄港は廃止 /広島

 江田島市は29日、地域住民や航路事業者などでつくる公共交通協議会の会合を開き、同市三高と広島港(宇品)を結ぶフェリー航路(1日16往復)を運航する「芸備商船」(広島市)が経営悪化を理由に3月末で撤退することを明らかにした。4月以降、瀬戸内海汽船(同)の新会社「江田島汽船」が引き継ぐが、同市大須に寄港する航路(6往復)は廃止される。

 宇品-三高航路は1950年ごろに自治体との共同運航で就航し、90年から芸備商船が単独で運航してきた。近年は利用者の減少などで経営環境は厳しさを増し、同社は大須寄港を3月末で廃止することを決定した。その後、宇品-三高航路の収益改善も見込めないと判断。2月上旬に報告を受けた同市は、航路業者に引き継ぎを打診していた。同市によると、芸備商船は同24日に中国運輸局に事業の廃止届けを提出し、江田島汽船は就航事業の免許を申請した。

 江田島汽船は大須寄港は廃止するが、現行のダイヤと運賃体系は維持する。同社が運航するフェリーは1隻しかないため、同市は2月末まで宮城県気仙沼市に貸与していたフェリー「ドリームのうみ」を2年間、有償で貸し出す方針だ。

 ◇江田島市、バスなど運行

 江田島市は大須航路の廃止に伴い、大須地区の住民のため、通勤・通学時間帯はマイクロバス(7往復)を新たに運行する。昼間は予約型の乗り合いタクシーを併用する。4月以降、広島市と江田島市を結ぶ航路は、フェリーが三高と切串の2航路、高速船が中町・高田・能美ロッジ、小用・切串の2航路となる見込み。

 協議会では、今後も人口減少などで厳しい経営状況が予想されることから、「また撤退するのではないか」「三高航路は住民にとって命の航路」などの意見が出た。同市は航路の公設民営なども含めて議論する。県旅客船協会の仁田一郎会長は「民間でつなぎ、その間に将来の形を一緒に考えたい」と話した。【寺岡俊】

毎日新聞 2012年3月1日 地方版

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