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梅田−咲洲JR直通・ミナミ走る路面電車 大阪府市統合本部が構想

 大阪府市統合本部で街づくりを計画している「グランドデザイン検討部会」が、3月下旬に作成する中間とりまとめ案に、JR桜島線の府咲洲庁舎前(旧WTC、大阪市住之江区)までの延伸や、JR天王寺駅と南海難波駅を結ぶLRT(次世代型路面電車)の導入などを盛り込むことがわかった。現段階では事業者側の意向や採算性は考慮していないが、従来にはなかった府市一体の交通施策で都市を活性化しようとの戦略が強く打ち出されている。

 中間案では、桜島線の桜島駅(同市此花区)から西に約4キロ、大阪湾の地下を通って咲洲庁舎前まで延伸。実現すれば、梅田からJR1本で咲洲まで行けるようになる。

 咲洲地区は昨年、国際戦略総合特区に指定されており、同部会は企業進出が進んで乗客が増加すれば、JR西日本が延伸を決める後押しになると期待。また、咲洲から米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(同)へ交通の便も良くなるため、観光とビジネスの相乗効果も見込めるとしている。

 LRTは、JR天王寺駅南側から南海難波駅までの約3キロのルートで、天王寺動物園内を走行し、コアラなどの動物を車内から見物できるようにすることを検討。天王寺駅前では、日本一の高層ビル「あべのハルカス」(300メートル)が2014年春に完成予定で、路面電車が発着する阪堺電気軌道上町線との接続も想定している。

 計画の実現には巨額の資金が必要。同部会は事業費の試算などは行っていないが、「府市が一体となって大阪全体の活性化策を示すことで民間の投資を促したい」としている。中間案は松井一郎知事らも交えて議論したうえで、6月に最終案として確定する。橋下徹大阪市長は2日の市議会で、天王寺駅周辺の活性化について、「都市のど真ん中に動物園や公園、美術館があり、ものすごい重要な観光資源になる」と述べた。

2012年3月2日  読売新聞)
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