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御堂筋:「日本のマンハッタンに」高さ制限緩和を検討 

高さ制限が緩和された御堂筋のイメージ図
高さ制限が緩和された御堂筋のイメージ図

 大阪市のシンボル道路・御堂筋について、一部沿道の建物に課されている50メートルの高さ制限を、大阪府が200メートルまで緩和する方向で検討していることが分かった。早ければ13年度から実施し、オフィスだけでなくマンションや大学・研究機関の集積を図る。府は40年後に御堂筋から車道を撤廃して公園化する構想も検討中。約4キロの沿道を高層ビルが建ち並ぶ米ニューヨーク・マンハッタンのように変貌させるもくろみだが、市民らの中には「今のままですてきなのに」という声もある。

 御堂筋では景観保全のため、戦前から「百尺(約30メートル)規制」が敷かれていたが、95年に緩和。現在は北区の淀屋橋地区から中央区の本町地区までの約1キロの区間について、建物を沿道から4メートル以上後退させ、通りに面する外壁の高さを50メートルなどとするよう指導している。制限の緩和に条例改正などの必要はないという。

 府の構想案では、高さ制限の撤廃は沿道でのビルの建設や改築が対象。日当たりを確保するため高さ50メートル地点で段差を設ける▽上層階部分は沿道から10メートル以上離す▽段差部分は芝生を敷くなど「空中庭園」を造るよう奨励する--としている。

 新たな御堂筋のコンセプトを「居・職・学エリア」とし、従来のオフィスに加え、ビル上層階にマンションや大学・研究機関を誘致することを想定。都市のグランドデザインについては府のプロジェクトチームが設けられており、具体案は今後、府市統合本部で市と協議しながら詰める。

 府関係者は「御堂筋を日本のマンハッタンにしたい。同時に世界一美しいと言われるパリのシャンゼリゼ通りに匹敵する緑豊かな美しい景観を目指す」と話している。

 一方、構想には疑問の声も。本町で働く男性会社員(32)は「最近の御堂筋はオフィス街としては寂しいので、にぎやかになるのは歓迎。ただ、人気がある施設でもないとたちまちあきられる」。よく買い物に来るという同府茨木市の主婦(63)は「御堂筋はイチョウ並木と建物の高さをそろえた統一感が魅力。今のままでよいのでは」と話す。【佐藤慶、高山祐】

毎日新聞 2012年2月10日 15時41分(最終更新 2月10日 18時51分)

 
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