中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 大リーグ > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大リーグ】

ダル いきなり155キロ出た 紅白戦初登板で1イニング0封

2012年3月4日 紙面から

紅白戦でアンドラスを空振りの三振に仕留めるレンジャーズのダルビッシュ(撮影者・社英夫)

写真

 【サプライズ(米アリゾナ州)大城和美】いきなり155キロデビュー!! レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)は2日、紅白戦の初登板で3回の1イニングを投げ、1番から始まるメジャー最強打線を無安打無失点に抑えた。内容は21球(うちボール球10球)で1奪三振、1与四球。最速は96マイル(約155キロ)で、66マイル(約106キロ)を計時したスローカーブとの球速差は49キロもあった。本人は「全体的にあまり良くなかった」と言いつつも周囲からは鮮烈なデビューと映ったに違いない。

 やはり、この男だけは底が知れない。ダルビッシュ自身は万全ではなかったことを認めたものの、いざ本番となるとすさまじかった。10球目には、最速155キロの速球を投げるなど、桁違いの力をみせつけた。

 「緊張はしなかった。最初の実戦からすごくいい相手に投げられたので楽しかった。でも、環境とか自分の技術もそうだが、きょうは全体的に良くなかった」。これまでフリー打撃はマイナー打者を相手にしていたが、この日は2年連続ワールドシリーズ進出を果たした1番キンスラーから始まる超強力打線と激突。報道陣、ファンなど約500人が詰めかける大賑わいのなか注目の実戦初ピッチングが始まった。

 先頭の1番キンスラーには、カウント3ボールと制球が乱れたが、フルカウントまで戻し、スライダーで浅い左飛。続くアンドラスに対しては球速差49キロの投球術をみせた。マスクをかぶったブラウン捕手が「テレビゲームみたいな球」と評した106キロのスローカーブから入ると、その3球後には他球団のスカウトが持ち込んだスピードガンで最速155キロを計時。最後はツーシームで空振り三振に仕留めた。3番ハミルトンは歩かせたものの、通算320本塁打の4番ベルトレへは2球で追い込み、平凡な二ゴロに料理した。

 この日は気温14度と肌寒く、風速20メートル近い突風が外野から本塁方向に吹く最悪のコンディション。ダルビッシュは会見の冒頭で「楽しかった」と口にしたものの、後半になると厳しい表情になり、「まだ楽しんでいる余裕はない。直球? 切れという意味では全然まだまだ」。知らず知らずのうちに前言を翻した。

 対戦した打者たちは、一様にうなった。昨季32本塁打のキンスラーは「彼が同じチームでよかった」と話せば、アンドラスも「評判通りの投手になる。あのシンカー(ツーシーム)はシーズン中も使える」とそろって太鼓判。主砲ハミルトンも「ボールの動きがすごい。少し緊張していたようだが、全体的にグレート。マウンドで自信満々だった」と目を細めた。

 いまひとつの状態にして、この結果。「まだまだ(開幕まで)1カ月ある」とダルビッシュ。現時点でこの投球ならば、4月はどこまで進化しているのか、末恐ろしい。

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ