'12/3/3
市民に戸惑い…ロッツ閉店
福山市西町の商業ビル「福山ロッツ」が2013年春に閉店することが決まった。JR福山駅周辺では1月末に商業ビル「キャスパ」が閉店したばかり。中核的な商業施設が相次いで閉店する事態に、地元の商店街や市民に驚き、戸惑いが広がった。
福山駅前の小売店や飲食店55店でつくる福山駅前商店会の三宅国裕会長(63)は「キャスパに続き、またか」と突然の知らせに驚きを隠さない。
同じビルで営業していた福山そごうが2000年に閉店したときを振り返り「当時は駅西側の人通りが大きく減り、周辺の商店も影響を受けた。また同じ状況を招きかねない」と懸念する。
ロッツには衣料、雑貨など約80店が入居している。男性衣料店の難波勝オーナー(62)は「キャスパにいた店主は、移転先探しで大変だったと聞く。次は自分たちが苦労しないといけないのか」と表情を曇らせた。
洋服店店長の女性は「やっぱりかという感じもある。経営は厳しいと思っていた」と明かす。閉店後のビル運営について「市は今後の計画を早く示してほしい」と注文する。
買い物客も街の将来を心配する。地下のスーパーを週1回利用している同市南本庄の主婦平井静子さん(87)は「こんな一等地で、うまくいかないなんて驚き」。駅ビルなど駅周辺で買い物を楽しんでいるという市内の30歳代の主婦は「中心部の魅力が減る」と寂しがった。
福山商工会議所の林克士会頭は「中心市街地活性化を推進していく上で誠に残念」とのコメントを発表。「入居中のテナントなどに十分な対応をお願いしたい」と要望した。