原発事故の際、放射性物質の広がる方向などを把握しようと、福井県内や岐阜県などの住民が3日、美浜原発近くの美浜町水晶浜海水浴場で風船千個を飛ばす「福井の原発からの風向き調査プロジェクト」を行った。
東京電力福島第1原発事故から1年を迎えるのを前に、福井、岐阜、愛知、三重の4県の住民ら約40人が参加した。風船を持った参加者が一斉に手を放すと、海風で風船は勢いよく空に舞い上がっていった。
風船のひもには「拾われた方は日時・場所をお知らせください」と記したメッセージカードを結び付けた。事務局では風船を拾った人からの連絡を基に、どこまで飛んだかを地図に記してまとめる。結果は10、11日にそれぞれ愛知と岐阜県内で行われる脱原発パレードの会場で報告する。
岐阜などのグループはチェルノブイリ原発事故を受けて、1988年3月にも同じ水晶浜から風船千個を飛ばした。この時は岐阜や滋賀県内から11件の連絡があったという。
呼び掛け人の一人で岐阜県笠松町の主婦、笠松希代美さん(54)は「福島の事故を見ると、風下でどういう影響があるかが心配。原発から離れていても、多くの人に自分の問題として関心を持ってほしい」と話していた。