筋肉や骨などにできるがん、「肉腫」の患者や医療関係者が、3日、東京で集会を開き、「有効な治療薬がほとんどない現状を変えるには、患者と医師が協力して薬の開発を強力に推し進めるべきだ」と訴えました。
「肉腫患者大集会」と名付けられた集会には、全国から患者とその家族、それに医療関係者などおよそ150人が参加しました。
この中で、遺伝情報を基にした薬の開発を手がける東京大学医科学研究所の中村祐輔教授は、「滑膜肉腫」の患者を対象にフランスで始めた新薬の臨床試験について報告しました。肉腫は、大人のがんの1%程度と患者の数が少ないため、薬の開発がなかなか進まないのが現状ですが、中村教授は、「臨床試験を基に日本の患者に早く治療薬を届けたい」と述べていました。このあとの討論で、集まった患者たちは、「有効な治療薬がほとんどない現状を変えるには、患者と医師が協力して薬の開発を強力に推し進めるべきだ」と訴えていました。
宮崎県から参加した男性患者は、「自分も新薬の開発に向け、できることをやっていきたい」と話していました。また、集会を主催した患者の吉野ゆりえさんは、「肉腫の患者がどれだけいるのか実態さえ分からないので、患者を登録する制度を自分たちで作り、医師などと協力して治療法を開発していきたい」と話しました。
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