“新新新ご三家”の一人で“硬派”がウリだった元アイドルの草川祐馬さん

＜草川祐馬さん＞

“ご三家”は舟木一夫、橋幸夫、西郷輝彦。“新ご三家”は郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎。“新新ご三家”は城みちる、あいざき進也、荒川務。さらに“新新新ご三家”と呼ばれる３人がいた。加納竜、山本明、そして草川祐馬さんだ。野性的な魅力がウリだった草川さん、今どうしているのか。

　有楽町にあるホテルのラウンジで会った草川さん、アイドル時代より２０キロ以上太ったそうで、おまけにメガネにあごヒゲ。マジ、しばらく草川さんだと気づかなかった。

「野性味はどこへやら、まんまオッサンですよ、ハハハ。仕事は『臨場』や『新・科捜研の女』（ともにテレビ朝日）とかのテレビドラマが中心で、昔は『水戸黄門』『暴れん坊将軍』『必殺仕事人』なんかの時代劇にも出てたけど、役どころは大金持ちのどうしようもないボンボンから、医者、刑事、町工場の社長までいろいろ。ただみんなオッサン臭いところが似てるかな」

　３月１７日、関西テレビで放映される千原ジュニア主演の「新・ミナミの帝王」にもゲスト出演しているとか。

　草川さんは中学３年のとき、よみうりテレビの視聴者参加番組「プリン・キャッシーのテレビ！テレビ！」にまさに参加した際、ゲスト出演していた浅野ゆう子の誘いで芸能界入り。７５年、安井かずみ作詞、馬飼野康二作曲の「若者時代」で歌手デビューした。

「キャッチフレーズが“燃える挑戦者”だったんです。ホント、これでどれだけ散々な目に遭ったことか。雑誌の『明星』や『平凡』の企画で真冬の奥多摩で滝に打たれたり、まったく経験がないのに、いきなりハンググライダーに乗せられたり、激流の渓谷下りをさせられたり、命がけの仕事の連続でしたよ」

　かわいい系の男性アイドルが多い中、“硬派”がウリだった草川さんは事務所から「笑うな、しゃべるな」と命じられていた。

「『レッツゴーヤング』に『紅白歌のベストテン』『ヤングおー！おー！』など露出は多かった割に、正直、たいして売れませんでしたね。レコードもさっぱり売れなかったし。（新新新ご三家と呼ばれた加納）竜クン、（山本）明と仕事で一緒になることが多く、よくボクは竜クンと混同されてました」

　俳優としても「青春ド真中！」「ゆうひが丘の総理大臣」（ともに日テレ）などに出演した。

　しかし、１９歳のときに結核にかかり、慶応病院に１年半入院。その後、２２歳まで大阪の実家で療養生活を余儀なくされた。

「こんなに長いブランクがあったら、普通は芸能界復帰なんてできませんよ。でも、ボクの場合、ドラマで先生役だった中村雅俊さんのお世話で戻ることができました。ええ、雅俊さんは今もボクが役者でいられる恩人です。毎年、雅俊さんを含めてかつてのドラマ仲間と新年会をやってましてね。だけど、藤谷美和子や斉藤とも子たちとはどうしても連絡が取れない。どこでどうしてるんでしょう」

　２１歳で結婚し、現在３１歳になる長女を頭に２男１女をもうけるも、１９年前に離婚。９９年、１０歳年下の女性と再婚し、川崎市内のマンションに２人で暮らす。

（日刊ゲンダイ2012年2月27日掲載）

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