悪質なファンドAPFを一掃し、職場を守る大同団結を呼びかける声明文
2011年12月15日
悪質なファンドAPFを一掃し
職場を守る大同団結を呼びかける声明文
1.経 過
APF経営は昨年12月3日の適時開示で2011年3月末日に「27億円全額償還する」ことを約束した。目的は、昨年6月の金融庁証券取引等監視委員会の強制調査に続く告発への動きから逃れるためと、資金に窮すAPFが投資家の取立てから逃れるための公表と見られる。APFの追詰められた中での償還約束であったが、結果的に期日までに約束は果たせなかったのである。
結局、その後も現金償還はできず、ウェッジ株での代物弁済と不自然な明日香食品、明日香工業の株取得など苦肉の策で形を繕ったに過ぎない。最終的に、現金は実質4.6億円しか返済されなかったのである。
2.ゴム事業、昭和ゴム技術開発㈱と昭和ゴム㈱の合併について
昭和ゴムのアカエムボールは、三田土ゴムから引継いだ歴史あるブランド商品である。公認球は2社のみで寡占状態にあり業績は安定している。それは昭和ゴムの諸先輩たちが改善努力を繰り返し永年大事に守ってきたからである。
そこに目を付けたのがAPFである。元々一つだった旧昭和ゴムをショーワスポーツと昭和ゴムと昭和ゴム技術開発の3つに分けて置きながら、たったの2年で今度はショーワスポーツと昭和ゴムの2つにするという。即ち、旧昭和ゴムからボール部門を切り離したのである。
一方で、APFの身内企業の株式取得によって昭和ホールディングスグループを大きく見せかけ、不採算業種であるゴム事業子会社を際立たせ、切り捨てる準備に入ったといえる。
3.労働組合の分断
APFは昭和ゴム支配後、一貫して「飴とムチ」の政策で組合員の切崩しを図った。結果、ボール職場の組合員が一きわ減少した。そしてAPF経営はこの職場を完全に組合から切離すために非組合員から選んだショーワスポーツ㈱の労働者代表を立て、意のままにできる体制にしたのである。
今回の一時金差別支給はAPFが狙っているスポーツ事業と切り捨てを狙うゴム事業の分断であり、組合そのものの分断攻撃である。それは断じて許されるもではない。
4.ゴム事業切捨ての政策
永年の信頼関係を築いてきた昭和ゴムの歴史が、現在の顧客に繋がっている。しかし、APF経営はゴム事業の大きな柱である3500トンプレスを修理せず放置している。また、極端な若返り人事で営業や技術の継承が出来ずに顧客対応も滞る状況になっている。そしてその度合いは深刻さを増している。APF経営はゴム事業の将来展望を示さず、改善するどころかあえて衰退方向に向かわせているように見える。
これらゴム事業切捨ての動きは役員管理職への対応にも現れている。正式に組合には提案が無いが、管理職手当てカットが個々に言い渡されているというものである。その他にも明確な理由もなく一方的に降格された事例もある。これらの仕打ちは「ゴム事業を黒字に出来ない経営の責任を管理職に押付けるもの」であり、許されないことである。更に、これは一方的な不利益変更で違法であり、認める必要はなものである。 私たちは、これら役員、管理職に対する違法な攻撃に対してもゴム事業の再建を目指す者の立場から断固反対である。
5.今後の闘いについて
私たち労働組合はAPFが旧昭和ゴムから持ち出した現金約30億円を現金で返済するまで追及の手を緩めるわけにはいかない。資金を還流したファンドAPFは金融庁が取り締まりを強化している「不公正ファンド」の典型である。私達は、引き続き悪質なファンドの問題を社会的に訴え、国に対しても規制強化を求めるものである。一方では法廷の場において、APFの責任追及を実現すべくその準備も着々と進めている。そして、何よりも私達の大きな目標である真の再建に向けて、職場を守り、ものづくりを守るために今後も一層団結して闘いを強める決意である。
APFの実態が明らかになった今、旧昭和ゴムの事業継続の為に生え抜きの経営者、管理職を含めた全従業員の大同団結を呼びかけるものである。
以上
全労連・全国一般東京・千葉地本
昭和ゴム労働組合中央執行委員会 |