つなぐ 希望の木
災難を乗り越えてきた木々を、都内に訪ねた。
【社会】陸山会事件 虚偽報告書1年前把握 東京地検 強制起訴の直前小沢一郎民主党元代表(69)の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる事件に絡み、東京地検特捜部検事が実際にはなかったやりとりを捜査報告書に記載した問題で、地検が問題発覚の一年前に事実を把握しながら、故意ではなく問題ないと判断していたことが、検察幹部への取材で分かった。報告書は、元代表の強制起訴を決めた検察審査会の判断に影響を与えており、検察側の姿勢が問われそうだ。 地検が事実を把握した時期は、検察官役の指定弁護士が小沢元代表を強制起訴する直前だったが、指定弁護士に伝わらなかった。 報告書は、小沢元代表の元秘書石川知裕衆院議員(38)を取り調べた田代政弘検事(45)=現新潟地検=が作成。審査会の一度目の議決後の二〇一〇年五月十七日、保釈中の石川議員を取り調べ、やりとりを問答形式で文書にし、同日付で特捜部長に提出した。 石川議員が政治資金収支報告書への虚偽記入を元代表に報告し、了承を得たと認めた理由を「検事から、議員なのにうそをついてはいけないと言われたのが効いた」と述べたと記載。審査会は同年九月、報告書を含む捜査資料を基に、元代表の強制起訴を決める二回目の議決をした。 しかし石川議員が取り調べ内容を隠し録音した記録から、弁護側がこのやりとりが実際にはなかったことに気づき、昨年十二月の元代表の公判で指摘。証人出廷した田代検事は「過去の取り調べと記憶が混同した」と証言した。 昨年一月上旬には、石川議員ら元秘書三人の公判前整理手続きの中で、同議員の弁護側が隠し録音記録を証拠提出。検察幹部によると、地検も報告書との食い違いに気づき、最高検に報告した。地検は田代検事から複数回、事情を聴いたが、「記憶が混同した」などと答えたため、大きな問題とならなかった。 指定弁護士は同月三十一日、元代表を強制起訴した。東京地裁は今年二月十七日の元代表の公判で、報告書について「田代検事の説明は信用できない」とし、石川議員らの供述調書を証拠採用しないと決めた。 この捜査報告書をめぐっては、市民団体が虚偽有印公文書作成・同行使容疑などで田代検事を告発し、東京地検が捜査している。 PR情報
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