東京電力福島第1原発事故の発生直後に、現地対策本部が設置されていた福島県大熊町の「オフサイトセンター」(緊急事態応急対策拠点施設)の内部が2日、初めて報道陣に公開された。センターは、第1原発から約5キロ西側に位置する。通信網が遮断されるなどしたため機能せず、昨年3月11~15日の間しか使われなかった。
会議室の机の上には約50台のパソコンが当時のまま残り、脱ぎ捨てられた大量の防護服や飲みかけのペットボトルなどが散乱する。原発の配管図面などの内部資料も放置されていた。ホワイトボードには「(放射性物質のため)水道水の飲用は不可」「通信手段は衛星電話だけ」などの走り書きも残り、初動の混乱ぶりをうかがわせた。【中西拓司】
毎日新聞 2012年3月2日 20時20分(最終更新 3月2日 20時37分)
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