ダル、“オレ流”調整解禁　きょう紅白戦初登板

　【サプライズ（米アリゾナ州）穐村賢】ダル、メジャー初の実戦登板へ自己流調整を解禁だ−。レンジャーズのダルビッシュ有投手（２５）は１日（日本時間２日）、２日（同３日）の紅白戦登板に向けて投手陣の全体練習終了後、１人グラウンドに残り、約４０メートルの遠投を交えた個別練習を行った。大リーグでは投球制限などによってなかなか認められない独自調整だが、レ軍のコルボーン環太平洋シニアアドバイザーや球団首脳からは既に了解を得ている。２日の紅白戦では主力が交じったメンバー相手に中継ぎで１イニングを投げる予定。いよいよ調整も第２段階に入ることになる。

　ついに動いた。約２時間の全体練習を終えると、ダルビッシュはグラウンドに１人居残りキャッチボールを始めた。初めは距離間１５メートルほどで行っていたキャッチボールだったが、徐々に相手役の球団関係者が中腰になるなど、途中からはブルペンさながらの力の入れ具合。そしてさらにその距離を広げると、約４０メートルほどの遠投まで行い、周囲を騒然とさせた。

　日本人投手の調整法についてはこれまでもさまざまな議論がなされた。０７年に松坂がレッドソックスに移籍した際には、球団側はその投球数を管理し、首脳陣とあつれきを生む結果となった。しかし、レンジャーズはこれまでの経験をもとに、日本流の調整法をある程度は容認する構えだ。

　野茂、桑田両右腕らこれまで何人もの日本人投手を見てきた、元オリックス投手コーチでレ軍の環太平洋シニアアドバイザー、コルボーン氏も「あのようなキャッチボールは彼の調整法として既に織り込み済み。日本人投手は多くの球数を投げるというのも知っている。首脳陣もダルビッシュを信用しているし、理解している。全く問題ないよ」と日本通らしく泰然としたものだった。

　２日の紅白戦には、ダルビッシュを含め、建山、上原も登板する予定で日本人３投手が実戦登板でそろい踏みする。ワシントン監督も、周囲の期待が高まるダルビッシュの登板に「明日はビッグボーイが出てくるな」と興奮した様子だった。

　自身のツイッターに「しっかり投げたいと思います」などとつぶやいたダルビッシュ。これまでの圧巻の投球でリーグ屈指といわれる強力味方打線をねじ伏せるのか、それともメジャーの“洗礼”を受けるのか、その投球に注目が集まる。