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豪華報告書を緊急出版 民間事故調のウサン臭さ

【政治・経済】

楽天SocialNewsに投稿!
2012年3月2日 掲載

あざとすぎるメディア戦略

「福島原発事故独立検証委員会」――いわゆる民間事故調が先日、400ページもの調査報告書をまとめ、菅前首相らの場当たり対応を断罪した。
「必要なバッテリーの大きさは縦横何メートルだ!」なんて、怒鳴りまくっていた菅のドタバタぶりには呆れたが、この報告書が緊急出版されることになった。今月11日発売で書籍は1575円、電子版は1000円。
 民間事故調を組織した独立系シンクタンク「日本再建イニシアティブ」のホームページには〈記者会見後、多くの方々から入手方法についてお問い合わせをいただきました。当初は、非売品として部数を限定して作成しておりましたが、できるだけ多くの方に読んでいただけるよう実費にて緊急出版させていただくことにいたしました〉なんて書かれていたが、違和感を覚えた記者は少なくない。
「だって、先月28日に開かれた会見で報告書が配られると思っていたら、アッという間になくなっちゃったんです。『ふざけている』と思ったのは、そもそも28日に会見を予定しながら、報告書の中身がどんどんリークされて、話題が先行したこともある。調査報告なのにメディア戦略が露骨であざとい。ヘンな組織だと思ったら、すぐに本を売るという。ははん、そういうことか、と思いましたね」(会見に出たジャーナリスト)
 報告書はカラー写真が豊富に使われている豪華版。「調査報告書なのにこんなに凝る必要があるのか」という疑問は当初からささやかれていた。そうしたら、会見後、すぐに緊急出版が決まり、約10日後には書店に並ぶ“手回しのよさ”。「多くの人から問い合わせ……」なんて言っているが、最初から出版を決めていたのは間違いなかろう。

<日米同盟礼賛が目的!?>

 そうなると、「この民間事故調って何だ?」と言いたくなるのだ。仕切った独立系シンクタンクは元朝日新聞主筆の船橋洋一氏が理事長。船橋氏は28日の会見でも真っ先に挨拶をした。委員長は北沢宏一・前科学技術振興機構理事長。そのほか、遠藤哲也・元国際原子力機関理事会議長、野中郁次郎一橋大名誉教授らが並ぶ。「高い専門知識と見識があるメンバー」と自画自賛しているが、だからといって、なぜ、彼らが調査するのかが分からない。菅の対応をボロクソ批判していたが、その一方で、東電に乗り込んだことは褒めていて、菅は「公平に評価していただいたことは大変ありがたい」とか言っていた。日米同盟の役割にもスポットを当てていて、日米防衛当局のラインが「最後の砦」になったと褒めていた。
「ウサンくさいにおいがプンプンしますね。彼らにはどういう権利があって、なぜ、調査・検証に乗り出したのか。それがよく分からないからです。船橋洋一氏といえば、親米保守。米軍のトモダチ作戦礼賛が目的だったのではないか。緊急出版の話を聞くと、ますます怪しげだと思います」(元外交官・天木直人氏)
 この事故調の委員長を務めた北沢宏一氏が、今春にも発足する原子力規制庁の初代長官になるんじゃないか、というウワサも根強くある。だとしたら、この報告書はそのためのデモンストレーションということになる。
~2012年3月2日以前の記事~

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