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地方
1グレイ被曝 がん死リスク42%増 放影研、寿命調査の成果発表 広島
2012.3.2 02:16
■低線量の影響解明に課題
日米合同の研究機関、放射線影響研究所(広島市、長崎市)は1日、原爆被爆者の寿命調査について最新の研究成果を発表した。30歳で1グレイ以上被曝すると、がん死亡リスクが42%増加するといい、同日付の米国の学術誌「Radiation Research」に掲載された。
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同研究所は昭和25年から広島と長崎の被爆者の追跡調査を行っており、寿命と原爆放射線の影響について研究を続けている。今回は平成15年までのデータを使用し、被曝線量の推定に2002年線量推定方式(DS02)と呼ばれる新たな方式を採用した。
放影研によると、これまで調査対象の直接被爆者8万6611人の58%にあたる5万620人が死亡しており、このうち固形がんによる死亡者は1万929人だった。
30歳で1グレイの放射線にさらされた場合、70歳時のがん死亡リスクは42%増加することが判明。死亡リスクは放射線量に比例して増加するというこれまでの研究成果を支持する結果が得られた。
また、被爆時の年齢が10歳若くなるとリスクは29%増加するという。
がんの部位別では胃や肺、肝臓などでリスクの増加が認められたが、循環器や呼吸器疾患などがん以外の疾患と放射線の因果関係については「更なる検討を要する」としている。
小笹晃太郎疫学部長は「明らかになっていない低線量や放射性降下物の影響についての研究が今後の課題」と話した。
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