東日本大震災で津波に流され、泥の中から救出された文化財などの展示会が東京で開かれています。
東京・港区の都立中央図書館で11日まで開かれ、16日からは岩手県遠野市で開かれる予定です。
展示会は、被災した文化財の救出活動に当たった岩手県の遠野市立博物館が開いたもので、東北地方の8つの博物館や図書館で津波などの被害に遭った土器や民俗資料などおよそ160点が展示されています。
このうち岩手県の陸前高田市立博物館にあった「人面付き石棒」は、石に人の顔が彫られた長さ5センチほどの縄文時代の道具で、津波で流されたあと、学芸員ががれきの中から見つけ出したということです。
また、岩手県大槌町立図書館の「昭和八年津波請願書綴」は、昭和の三陸津波の被災者が町に支援を求めた手紙を集めた資料で、津波で水につかりましたが、修復したということです。
東日本大震災で被災した文化財は、泥やがれきの中から救出されたあと修復作業が行われていますが、数が多いため作業が追いつかない状態だということです。
遠野市立博物館の学芸員の中村里那さんは「文化財の救出活動を風化させないためにも、多くの人に被災地の文化財への関心を持ってもらいたい」と話していました。
この展示会は東京・港区の都立中央図書館で11日まで開かれ、16日からは岩手県遠野市で開かれる予定です。
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