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“津波の語り部” 体験伝える

3月2日 18時55分

津波のおそろしさを知ってもらおうと、漁師などが「語り部」となって旅行客に、みずからの体験を伝える取り組みが、岩手県田野畑村で行われました。

この取り組みは、岩手県の沿岸北部の田野畑村のNPO法人が去年9月から行っていて、震災から1年を前にした2日は、東京などからおよそ80人がバスで訪れました。
一行はまず、津波で駅舎や橋脚が流された三陸鉄道・島越駅の跡地を案内され、被災前の駅の写真と、土台だけが残された今の姿との違いに驚いていました。
そして、羅賀地区の港では、地元の漁師など4人の語り部から津波の体験を聞きました。
語り部の一人、川畑州作さんは、漁船で沖合に避難し、港が津波の被害を受ける様子を見て戻れず、そのまま一夜を明かした体験を語りました。
参加者は、避難所までどうやってたどり着いたのかや、陸上にいた人はどこに避難して助かったのかなどと質問していました。
東京の70代の男性は「津波に備えていたのに、こんなに被害が出たことに驚いた。自分も防災意識を高めなければならないと思った」と話していました。
川畑さんは「津波の被害が出ないよう語り継いでいきたい。一日も早く復興して、きれいになった村にまた観光に来てほしいです」と話していました。