June 02, 2011

福井新聞 --福井市//越廼に津波伝説、集落消滅? 地区の公民館だよりで紹介 2011年6月2日

越廼に津波伝説、集落消滅? 地区の公民館だよりで紹介 (2011年6月2日午前11時14分)

福井県福井市越廼地区に、過去の大津波によって集落がまるごと消滅したという言い伝えがあり、地区の公民館だよりで紹介されている。東日本大震災前の昨年から6回にわたって掲載され、住民らは過去の教訓を守り伝えていく大切さを再認識していた。

 記事を執筆したのは同市社会教育指導員の前阪良晴さん。清水町史や越前町史などの文献や地区の伝説を基に研究。東日本大震災前の昨年5月から公民館だより「こしの再発見」コーナーで掲載した。

 消滅したとされる集落は、当時「江津(水)浦」と呼ばれ、現在の同市城有町と八ツ俣町辺り。「大津波」が発生した時期は、記事では3説を紹介している。1058〜1065年に「地雷風起って悉(ことごと)く沈没し…」とあることから平安時代説。また、地区に建つ石碑などから、江戸時代の1806年か1829年でないかとの説を記している。

 一方、前阪さんは「大津波の発生時期は、室町時代ではないか」と推測している。鎌倉時代に戸川左衛門という人物が江津浦集落一帯を支配していたが、室町時代に、戸川家が滅んだと同時に「江津浦」の集落名が文献から消えたことから、室町時代が有力ではないかとしている。

 前阪さんは「どこまでが真実か分からないが、言い伝えがあったのは間違いない。津波のことは私にとっても無関心でいられません」と話している。
 記事では、そのほかに江津浦の漁師がエサに困り、ニワトリの肉を使って漁をした結果、大津波に襲われ「にわとりのたたり」が起きたという、伝説などもつづられている。

 公民館だより8月号で「(江津浦が消滅)言い伝えは、地元の古老たちによって語り伝えられていましたが、今は伝えられる人はほとんどいなくなった」としており、後世に継承していく重要性を訴えている。また、市危機管理室は「とても興味深い」と注目している。


fp1100pcgateway2000 at 11:14コメント(0)トラックバック(0)地震・津波研究  この記事をクリップ!

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
最新記事
電力消費メーター
記事検索
  • ライブドアブログ