講義詳細

6月20日放送

第12回(最終回)善き生を追求する

Lecture23 同性結婚を議論する
前回に引き続き、サンデル教授自身の「コミュニタリアニズム」の思想を深めていく。カントやロールズなど近代の思想家たちは、「善」や「美徳」と言った倫理的な問題は、今日、人々が意見の一致を見ることはなく、権利や義務という、人々が合意できる領域で議論を構成していくべきだと考えてきた。しかしサンデル教授は、正義を考えるにあたり、「善」を考えることこそが最も重要だと主張する。そのために今回取り上げる題材は、「同性結婚」。教室では、結婚の目的、つまりテロスは生殖であるということを理由に反対する意見、一方、不妊のカップルが結婚できる以上、結婚のテロスは生殖ではないと、同性結婚を認めるべきだという賛成意見が激突する。その議論からサンデル教授は、正義を考える上で、善について議論することは避けられないという考えを導いていく。
Lecture24 正義へのアプローチ
サンデル教授は、同性結婚についてマサチューセッツ州の裁判所が下した判決を紹介し、道徳的な問題に中立の立場をとりながら、同性結婚を支持、あるいは否定することはできないと主張する。そして、同じように、正義と権利の議論において、善について論じることは避けられないことを強調する。「善とは何か」、「正義とは何か」。歴史上多くの偉大な思想家たちが探求してもなお、永遠に解決できない問いに、なぜ私たちは取り組まなければならないのか。サンデル教授は、その答えを明らかにしながら、感動的に講義は締めくくられる。

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