講義詳細

6月13日放送

第11回 「愛国心と正義 どちらが大切?」

Lecture21 善と善が衝突する時
いよいよ今回から、サンデル教授自身の思想「コミュニタリアニズム」を取り上げる。これまで議論をしてきたカントやロールズにとって、道徳的な義務は2種類しかない。一つは、人として人を尊重するといった人間に対して負う普遍的な義務、もう一つは、約束や契約など同意したことによって生じる義務である。これに対しコミュニタリアンは第三の義務があると考える。集団の構成員としての義務である。私たちは自分たちの家族や町、国から、アイデンティティを受け継いでいるからだ。しかし、私たちの家族やコミュニティに対する義務が、人間にそもそも課せられた普遍的な義務と衝突したらどうなるのだろうか?たとえば、溺れている2人の老人がいる。ひとりは自分の親、もうひとりは赤の他人。自分の親を真っ先に助けることをサンデル教授はどう説明していくのか。
Lecture22 愛国心のジレンマ
コミュニタリアンの主張である、コミュニティの構成員であることや、連帯から生じる義務についてさらに論じていく。サンデル教授は、愛国心がコミュニティから生じる道徳的な義務なのかどうか、賛成意見、反対意見についての議論を導く。私たちは、自国民に対して、他の国の国民に対してより、責任があるのだろうか?愛国心は美徳なのか、それとも同類への偏愛なのか?正義とは、ただ単にその時代、そのコミュニティでたまたま是とされる価値観や伝統から作られる、限定的なものに過ぎないのだろうか?さまざまなシナリオを用い、愛国心に代表される、忠誠心から生まれた義務が、正義の普遍的な原理を越えることがあるか否か、白熱の議論を展開していく。

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