2012年1月3日 13時35分 更新:1月3日 15時51分
【デモイン(米アイオワ州)古本陽荘】米大統領選(11月6日投開票)に向け、全米の先陣を切って共和党の大統領候補を選ぶ中西部アイオワ州の党員集会が3日(日本時間4日朝)、行われる。12月31日に発表された地元紙の世論調査で支持率トップに立ち、組織力もある穏健派、ロムニー前マサチューセッツ州知事(64)が優勢だが、有権者の多くは投票先を最終決定していない模様で、情勢はいまだ流動的。保守派では、サントラム前上院議員(53)の支持が急上昇しており、上位をうかがう勢いだ。
共和党の党員集会参加予定者を対象とした地元紙「デモイン・レジシター」の調査(12月27~30日実施)によると、ロムニー氏が支持率24%でトップに立ち、22%のポール下院議員(76)、15%のサントラム氏、12%のギングリッチ元下院議長(68)が追う展開。ただ約4割が「投票先を変える可能性がある」と答え、予断を許さない。
1日、州西部アトランティックのレストランでの集会後、記者団に世論調査の結果について聞かれたロムニー氏は「勇気づけられている。(アイオワで)誰が勝つかは分からないが、これから各州での選挙戦を続けていくうえで、十分な支持は得られていると思う」と自信をのぞかせた。
一方、ポール氏は年末年始は地元テキサス州で過ごし、2日から選挙戦を再開予定。反戦姿勢や海外駐留米軍の即時撤退などを提案していることから、無党派層や一部の民主党員が一時的に党籍を共和党に移し、ポール氏に投票するとみられている。高投票率となった場合、ポール氏の勝算が高まる。
また、保守派のなかで勢いづくサントラム氏は、アイオワ州で100日以上を費やし、360回以上の対話集会を重ねている。ただ、選挙運動の大半をアイオワに集中しており、選挙スタッフがほとんどいない他州で善戦できる見込みはないとの見方が大勢だ。
民主党も3日、アイオワ州で党員集会を開くが、オバマ大統領(50)の対抗馬はいないため、形式的に大統領候補として承認し、再選を目指す「儀式」となる。大統領はビデオメッセージを送り、支持を訴える予定だ。
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